[PR]、記事内リンクはAmazonで商品検索を行います。
蝉しぐれの作品情報
- タイトル
- 蝉しぐれ
- 著者
- 藤沢周平
- 形式
- 小説
- ジャンル
- 時代劇
- 執筆国
- 日本
- 版元
- 文藝春秋
- 初出
- 山形新聞夕刊、1986年7月9日~1987年4月11日
- 刊行情報
- 文春文庫
蝉しぐれのあらすじ(ネタバレなし)
作者
藤沢 周平 ふじさわ・しゅうへい(1927年12月26日 – 1997年1月26日)
小説家。山形県鶴岡市出身。江戸時代を舞台に、庶民や下級武士の哀歓を描いた時代小説作品を多く残した。とくに、架空の藩「海坂藩(うなさかはん)」を舞台にした作品群が有名である。代表作に『たそがれ清兵衛』『海鳴り』『蝉しぐれ』など。
蝉しぐれの刊行情報
- 『蟬しぐれ』文藝春秋、1988年5月11日
- 『蟬しぐれ』文春文庫、1991年7月10日
- 『愛蔵版 蟬しぐれ』文藝春秋、2016年12月14日
- 『新装版 蟬しぐれ 上下』文春文庫、2017年1月10日
映画版
テレビドラマ『蟬しぐれ』NHK総合「金曜時代劇」、2003年8月22日~10月3日
映画『蟬しぐれ』東宝、2005年10月1日
監督:黒土三男、出演:市川染五郎、木村佳乃、原田美枝子、緒形拳
映画『蟬しぐれ』を全編無料視聴できる配信一覧
[PR]、記事内リンクはAmazonで商品検索を行います。
Hulu | |
U-NEXT | |
Amazonプライムビデオ | |
TSUTAYA TV | |
Netflix |
蝉しぐれの登場人物
牧文四郎
本作の主人公。牧助左衛門の一人息子。物語開始時15歳。義理の父・助左衛門が藩の政争に敗れ切腹させられたことにより、「反逆者の子」の烙印を押される。
小柳ふく
本作のヒロイン。牧家の隣家である小柳家の娘。物語開始時12歳。文四郎とは相思相愛の仲だが、藩主の正室に仕えるために江戸のに奥屋敷に勤めることになる。
小和田逸平
文四郎の親友。物語開始時16歳。文四郎の父が刑死して、世間が文四郎を白い目で見るようになってからも、変わらぬ友情を示し続けた。
島崎与之助
文四郎の親友。物語開始時15歳。剣の腕はさっぱりだが、居駒塾では始まって以来の秀才。
蝉しぐれの感想・解説・評価
残酷な運命を背負って武士へと成長する一人の少年の物語
本作で描かれる15歳の主人公、牧文四郎はまさに子どもから大人へ変わるその真っ直中にいる。文四郎は、文武両道に特に武である剣術の稽古に励み、隣家の娘であるふくに淡い恋心を抱き、先のことについて親友である小和田逸平や島崎与之助と語り合う。
元服を間近に予定しつつも、どこにでもいるような平凡な少年である彼が、剣術を極め、自分を高めていく中で、何を経験したのかと問われればそれは「諦めること」に他ならなかった。尊敬する父助左右衛門、恋い慕うふく、その両方をどうしようもない大きな力によって奪われてしまったのだ。
そこにあったのは、やりきれなさでも、苛立ちでもなかった。ただ諦め、悔しがり妥協する一連の行為だけであった。その結果残ったのは後悔だけである。父との対面の際、父を安心させるような、または感謝するような言葉をかけてやれなかったとの思い、江戸へ行くふくが会いに来たときには、自分の私用のために居合わせることもできなかった。それらは、将来を変えたかもしれなかったのに。
その後、文四郎は元服し一家の主になり妻を娶り子を授かる。順風満帆とは言えないまでも、普通の生活を送る。だが、そこには自分が行った行いに対する後悔はない。
決して明るい話でもないし、ハッピーエンドと言えるかどうかもわからない。だが、親子愛、友情、剣術、身分の壁など時代小説の素晴らしさが詰まった作品であることは間違いない。藤沢周平の筆が冴えた傑作であり、藤沢周平を読んでみたいという方にまずおすすめする作品だ。
合わせて読みたい本
風の果て
首席家老・桑山又左衛門の許に、ある日果たし状が届く。「恥を知る気持ちが残っているなら、決闘に応じよ」というのです。
相手は野瀬市之丞。同門・片貝道場の友人だった。戸惑いつつ、又左衛門は親友たちと過ごした日々を振り返りながら、人生で得たものと失ったものを確かめていきます。
蝉しぐれの評判・口コミ・レビュー
藤沢周平「蝉しぐれ」読了。本格的な時代小説。勧善懲悪と悲恋を軽く混ぜ合わせて時間の経過とともに変わる人間関係。それにしてもなんとキレのある描写。文字列が空気を支配する。
— 大石きつね@白衣狐 (@Foxtail_Fl) 2019年10月26日
軸は人間としての成長と自己研鑽かな…
藤沢周平が大泉学園ゆかりだからと読んでみたけども、いや良いものを読んだ。
#蝉しぐれ 読了
— むぎちゃ (@mugicha_to_) 2019年5月2日
爽やか。不遇に見舞われても、くさらず自己研鑽に励む主人公に心正される思いで読み切った。友情や恋慕の先の人を慈しむ気持ちが溢れてる。これぞ名作。#藤沢周平 さん pic.twitter.com/ObuAPfkt2S
藤沢 周平さんの
— せいや❄️☃📚 (@seiya_reading) 2019年1月23日
蝉しぐれ読み終わりました(*^_^*)
時代小説は初めて読んだのに
どこか懐かしい感じにさせてくれる
青春物語です(^-^)v♬
とても味わい深い内容で
特に主人公の剣の決闘の場面が
魅力的で楽しめました(^_^*)📘#蝉しぐれ#読了 pic.twitter.com/WFs0ufw26x
藤沢修平『蝉しぐれ』読了。若くして父親を刑死で失った主人公が、幼馴染たちとの交友を通じて、藩の跡継ぎ抗争に巻き込まれながらも成長していく青春時代小説。後半の展開はいささか都合がよすぎる感も否めないが、全体に非常に爽やかに書かれている逸品。
— シータ (@Perfect_Insider) 2015年5月24日
藤沢周平著 『蝉しぐれ』読了。
— Jacomeshi (@joker7615) 2012年5月1日
一人の武家少年(文四郎)が青年に成長していく過程を剣技、仲間との友情そして淡い恋愛感情を描いた藤沢の代表する時代小説。 ゆったりとした情景描写から一転、重大事件が巻き起こる緩急の妙、登場人物の内面を緻密に描写する表現力は、グイグイと引き込まれたw