ガールズ・ブルーⅡ(あさのあつこ)のあらすじ(ネタバレなし)・解説・感想

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高校三年になった理穂、美咲、如月の高校最後の夏を描く青春小説。

ガールズ・ブルーⅡの作品情報

タイトル
ガールズ・ブルーⅡ
著者
あさのあつこ
形式
小説
ジャンル
青春
執筆国
日本
版元
文藝春秋
初出
不明
刊行情報
文春文庫

ガールズ・ブルーⅡのあらすじ(ネタバレなし)

高校3年になった3人。周囲は進路を考えはじめるが、理穂たちはまだ心を決めきれずにいた。どうすれば自分の答えが見つかるのだろう――。

ポプラ文庫より

作者

あさの あつこ(1954年9月14日 – )

小説家、児童文学作家。岡山県英田郡美作町出身。10代のころからよく本を読むようになり、作家を志すようになった。青山学院大学文学部卒業。卒業後は小学校の臨時教諭や、歯科医の夫の仕事を手伝う日々を送る。36歳で「季節風」同人となり、「季節風」に連載した『ほたる館物語』が認められ作家デビュー。1997年、代表作『バッテリー』で野間児童文芸賞を受賞しベストセラーになる。

ガールズ・ブルーⅡの刊行情報

ガールズ・ブルーⅡの登場人物

理穂、美咲、如月
高校三年生。

ガールズ・ブルーⅡの感想・解説・評価

登場人物たち

まずは、登場人物についてから書いていきたいと思いますが、この本の登場人物達はとても魅力的です。

とくに、格好いいのが美咲です。

美咲は理穂(主人公)に人生の目標を尋ねます。理穂は「究極の恋愛をすること」と答えます。純粋な彼女らしい答えです。それに対して美咲は、「うそくせぇ。ありえねぇ」ときつく言い返します。

このセリフだけで「格好良いな」だけでも良いと思いますし、彼女のキャラクターが伝わってきます。さらに、実際に親しい友達と話しているときは特に何かを考えることもなく話していますから、このきつい言葉は本心なわけなので、2人は親しいのだと言うことが特に伝わってきます。同意したり認めたりするわけが良いわけじゃないとも思えてきます。

そんな美咲はとある哲学を抱えています。

それは「自分にできることはするし、できないことはやらない」ということです。もともと美咲は、病弱でたびたび入院していますし、体力的にもできないことは多いことはわかります。できないことをすれば、人に迷惑がかかることにもなるかも知れませんし、美咲の場合は入院する事態にもなりかねません。

ちょっと冷めているようにも見えますが、その背景を考えてみると、彼女の様々な一面が見えてきます。

大人と子ども

ある時、理穂達はお花見に行きます。しかしそこは、補導部や健全育成などという腕章をつけたおばさん達がたくさんいたのです。とはいえ彼女たちがそこへ行ったのは夜中というわけではありません。まだ夕方ぐらいの時間でした。

でもそんなことは、おばさん達には関係ないと言うことで、「早く帰るように」とか「どこの高校」などと尊大な態度で尋ねてきます。理穂はその態度を不服として言い返します。当然の反論とも思えます。でもこういうときの大人はややこしいものです。

ですがその様子を見たスウちゃんは理穂を止め、「帰ろう」と言って引っ張っていきます。不満を口にする理穂に対し、彼女は「大人とケンカしないで」と言います。この態度に対し理穂は「あたしが甘ったれのおじょうさんだということを教えてくれる」と評価しています。

登場人物の年齢は変わりません。でも内面はけっこう大人だったり子どもだったりします。そんなところが素晴らしいんです。

確かに、多すぎる、分厚すぎる

ある時、理穂は担任との二者面談に臨みます。舞台は高校三年の夏。とっくに進路は決めておくべき時期です。ですが理穂の進路は未定。普段は優しい担任からもお叱りの言葉をもらってしまいます。そんな中で分厚い学校要覧を見た理穂は以下のような思いを抱きます。

みんな、偏差値を頼りに自分の未来を決めているのだろうか。それとも・・・みんな、あたしを除いたほとんど全ての人は、自分のやりたいこととか将来の姿とかが鮮明に掴めていて、迷わず道を進んでいけるのだろうか。

まず間違いなく高校三年生が抱くであろう思いを綴ったものです。みんな悩みます。それでも自分以外の同級生は迷いもなく進路に向かっているように見えてしまいます。

ぜひ高校生に読んでほしい作品です。

合わせて読みたい本

ガールズ・ブルー

一年前の夏を舞台に三人の女子高生の姿を描いたシリーズ一作目です。

ガールズ・ブルーⅡの評判・口コミ・レビュー

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