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永井 路子 ながい・みちこ(1925年3月31日 – 2023年1月27日)
小説家。東京府東京市本郷区に生まれ。東京女子大学国語専攻部卒。小学館にて編集者として働きながら、歴史小説を書くようになる。1964年、『炎環』で直木賞受賞。作品はNHK大河ドラマ『草燃える』『毛利元就』として映像化された。
おすすめ作品ランキング
長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!
- 1位:炎環
- 2位:北条政子
- 3位:この世をば
作品一覧リスト
※小説のみ紹介しています。
『炎環』1964年
京の権力を前に圧迫され続けてきた東国に、ひとつの灯がともった。源頼朝の挙兵に始まる歴史のうねりは、またたくうちに関東の野をおおいはじめた。鎌倉幕府の成立、武士と呼ばれる者たちの台頭――その裏には、彼らの死にもの狂いの情熱と野望が激しく燃えさかっていた。鎌倉武士たちの生きざまを見事に浮き彫りにした傑作歴史小説にして第52回直木賞受賞作!
『長崎犯科帳』1965年
肥後国の仏師・卯助が、銀札の版木を偽造し、贋札を作った事件の謎を追う「長崎犯科帳」。明智光秀の娘・秀姫が、織田信長の養女として、筒井順慶の養子・定次に嫁いだことによって起る波風をえがいた「青苔記」。大内裏の応天門が焼失した事件をめぐる、伴大納言、左大臣・源信、藤原基経の権謀の渦を書いた「応天門始末」……など、永井路子の傑作短篇時代小説7篇を収録。
『絵巻』1966年
『宿命の天守閣』1967年
『北条政子』1969年
2022大河ドラマ主人公・北条義時の姉にして、源頼朝の妻。
彼女はいつも動乱の渦中にいた。伊豆の豪族・北条時政の娘に生まれ、
流人源頼朝に遅い恋をした政子。やがて夫は平家への叛旗をあげる。
源平の合戦、鎌倉幕府開設――
御台所になった政子は、実子・頼家や実朝、
北条一族、有力御家人達の間で自らの愛憎の深さに思い悩む。
歴史の激流にもまれつつ乱世を生きぬいた女を描き、
NHK大河ドラマ「草燃える」原作にもなった傑作歴史長編。
『恋のうき世』1971年
平安から応仁の乱までを舞台に、男女の織り成す恋の綾を
直木賞作家、永井路子が描く珠玉の歴史短編集。
『王者の妻 秀吉の妻おねね』1971年
日本の歴史上最も出世した男として名高い、秀吉。一介の草履とりから、一人前の侍、ついには天下人にまでのぼりつめた秀吉を陰で支え続けた妻おねね。平凡な夫婦生活から一変、権力に巻き込まれていく中で、おねねが真に望んだものとは? 激動の時代を生きた女性が抱えずにはいられなかった苦悩を直木賞作家永井路子が描く、歴史長編。
『朱なる十字架』1971年
細川ガラシヤ――。彼女の父は、謀叛を起こした明智光秀。夫は、冷ややかに父を無視した細川忠興。無垢な心と比類なき美貌を併せ持つ彼女に課せられた運命は、あまりにも過酷であった。深い苦悩の末、禁制のキリスト教に救いを見出したのも束の間、関ヶ原合戦の前夜、彼女は自らの命を絶つことになってしまう――。ガラシヤ夫人の愛と苦悩、憂愁の生涯を描く感動の長篇小説。
『からくり紅花』1972年
「雪の炎」「卯三次のウ」「春の狂気」「からくり紅花」「わいろ」「竜華寺みち」「眠れる美女─ある屍蝋への記憶─」
『一豊の妻』1972年
仲人口にのせられ夫婦になった二人は互いに呆れた。戦国の山内一豊夫婦を描く。「御秘蔵さま物語」「お江さま屏風」「お菊さま」「あたしとむじなたち」「熊御前さまの嫁」「一豊の妻」収録。
『ばくちしてこそ歩くなれ』1973年
『乱紋』1974年
織田信長の妹・お市の方と、近江の雄・浅井長政のあいだには3姉妹がいた。長女・お茶々は豊臣秀吉の側室として権力をふるった後の淀君。次女・お初は京極高次の妻となり、大坂の陣で微妙な役割を演じる。そして、最も地味でぼんやりしていた三女・おごう。彼女には、実に波乱に満ちた運命が待ち構えていた――。おごうの生涯を描いた長篇歴史小説。
『平治元年』1978年
『寂光院残照』1978年
壇ノ浦の戦いで九死に一生を得て寂光院に隠棲した建礼門院。彼女のもとに突然、後白河法皇が姿を見せる。平家に対する裏切りに一切の罪悪も感じない様に恐怖と憤りを覚える侍女に対し、驚くほど冷静な女院。彼女は何を思うのか。平家滅亡後を描く表題作の他、義経追討に名を挙げた男の顛末を描いた「土佐房昌俊」、「頼朝の死」など全6作を収録。鎌倉時代の権力の座を巡る複雑な人間模様と渦巻く陰謀に切り込んだ傑作歴史小説。
『執念の家譜』1978年
三浦光村は元服して初めて、三浦一族と北条氏との40年にわたる暗い宿縁を知る。同じ関東の豪族でありながら三浦氏は、鎌倉将軍家補佐の任を北条氏に奪われ続けたうえに、北条氏は、鎌倉幕府存続のために、地元の豪族・三浦氏を巧妙に利用してきたのだ。だが、三浦氏の北条に対する反撥は、何度かの争いを経て増幅されてゆく……。という表題作のほか、曽我兄弟仇討ちを扱った「裾野」など、精緻な歴史小説の短編6作を収める。
『流星 お市の方』1979年
激動の戦国時代、織田信長という風雲児の妹として生まれたがために、あるいは、その比類なき美貌ゆえに、お市の方は激しく厳しい運命を生きる。近隣の国々を切り従え、天下統一を狙う兄・信長と、その兄と対決せざるを得ない最愛の夫・浅井長政。日々激化する抗争の狭間に身を置いて、お市の方は苦難に満ちた生涯を送るのであった――。
『銀の館』1980年
室町後期、将軍足利義政の室として、その権勢をほしいままにした日野富子。しかしその実像は意外なものであった。富子と当時の庶民の姿を生き生きと描く長篇。
『氷輪』1981年
数々の苦難に遭いながら、十年の歳月を経て、戒和上鑑真とその弟子が渡日。
彼らは、「戒」を伝承するためにやって来たのだが、日本側の仏教に対する温度差に戸惑い、不遇をかこつ。
権謀術数に長け、光明皇太后の信任を得て、権力の中枢にある藤原仲麻呂が牛耳る天平の時代を丹念に史料を読み込み、紡ぎ出した歴史大作。
第21回女流文学賞受賞作。
『この世をば』1984年
時の権力者、関白・藤原兼家の三男坊の藤原道長は、機転が利きカリスマ的な存在感を放つ長兄の道隆や野心家である次兄の道兼に比し、平凡でおっとり、出世も遅々としていたが、姉である詮子の助力を得ながらも、左大臣の娘・倫子と結婚する。以来、徐々にではあるものの、道長にも運が向いてきて、姉・詮子、妻・倫子などの支援を受けながら出世街道を上りつめていく……。表面的な華やかさに誤解されがちな人間・藤原道長の素顔を見事に浮かび上がらせた名作。
『美貌の女帝』1985年
壬申の乱を経て、藤原京、平城京へと目まぐるしく都が遷る激動の時代。その裏では、皇位をめぐって歴史の節目となる大変革が進行していた。繰り返される裏切り、陰湿なる策略。矢面に立たされた氷高皇女が女帝・元正天皇となり、自身のすべてを政治活動に捧げ、守り抜こうとしたものとは何だったのか――。悲劇の女帝を描いた長篇歴史小説。
『波のかたみ 清盛の妻』1985年
政争と陰謀の渦中から栄華をきわめた平家一門。やがて東国に興った平氏打倒の嵐に翻弄され、西海の藻屑と消え去るその足跡を、頭領の妻を軸に綴る。公家・乳母制度の側面から捉え直す新平家物語。
『茜さす』1988年
お嬢様大学に通う友田なつみは、自らの名前のルーツでもある吉野を訪ねる。
そこで知り合った会社社長の泉のことが気になりながらも、卒論、就職活動と慌ただしく日常が流れていく。
友人の死を乗り越えつつ、なんとか編集に携わる仕事を得るが、他方で大学のゼミで勉強した万葉集の額田王の生き方に魅かれていく……。
『噂の皇子』1988年
三条帝の皇子敦明にはかねてから奇妙な噂がささやかれていた──貴族の優雅な世界と、無法な民衆の世界とを鮮やかに描く短編八篇
『わかぎみ』1989年
『裸足の皇女』1989年
天智帝のひめみこ山辺は大津皇子と結ばれ、皇后の地位を夢見るがいま一歩で──古代の熾烈な権力争いと奔放な恋の顛末を描く九篇
『山霧 毛利元就の妻』1992年
16世紀初めの戦国時代。土豪たちがひしめく中国山地の小領主だった毛利元就のもとに、<鬼>といわれる吉川国経の娘が輿入れした。権謀術数うずまく乱世にあって、ふたりは支え合いながら否応なく戦国の夫婦として生きていく。やがて元就は頭角をあらわしはじめるが……。NHK大河ドラマの原作となった長編歴史小説の傑作。
『王朝序曲 誰か言う「千家花ならぬはなし」と』1993年
長岡京から平安京、繰り返される遷都の中で、帝王桓武は皇太子・安殿との骨肉の相剋に命をすりへらしていく。桓武から平城、そして嵯峨へ。権力と愛欲をめぐる野望と挫折を描いた長編歴史大河小説。
『うたかたの』1993年
江戸期、野心に溢れながら挫折し、逃亡の身となった一儒者の青春から晩年を、その時どきにそばにいた女たちの目で描く連作時代小説
『永井路子歴史小説全集』1994年~1996年
- 全17巻
『闇の通い路』1994年
築地の破れめから往きあう隣家の人妻との密通が幕府をゆるがす事件に。平安末期から鎌倉期の人間模様をいきいきと描く魅力の八篇
『姫の戦国』1994年
京の公家の娘悠姫は、駿河の今川氏親のもとに嫁ぐ。武家と公家の違い、激動する戦国の世にとまどいながらも、今川義元の母として時代を生き抜く女を描く、歴史長篇。