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本谷 有希子 もとや・ゆきこ(1979年7月14日 – )
劇作家、小説家。石川県白山市出身。「劇団、本谷有希子」主宰。ENBUゼミナール演劇科にて、松尾スズキに学ぶ。2002年、『群像増刊エクスタス』に「江利子と絶対」を発表し小説家デビュー。2007年、『遭難、』で第10回鶴屋南北戯曲賞を史上最年少で受賞。2009年、「幸せ最高ありがとうマジで!」で第53回岸田國士戯曲賞を受賞。2016年、小説『異類婚姻譚』で第154回芥川賞受賞。笙野頼子、鹿島田真希に続いて3人目の純文学新人賞三冠作家となった。
おすすめ作品ランキング
長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!
- 1位:江利子と絶対 本谷有希子文学大全集
- 2位:静かに、ねぇ、静かに
- 3位:異類婚姻譚
作品年表リスト
江利子と絶対 本谷有希子文学大全集(2003年)
引きこもりの少女・江利子は、拾った犬に「絶対」と名付けた。「絶対に自分の味方」となることを求め、その犬の世話をする江利子。ところが、電車の横転事故の跡を見たとき、事件が起きた(表題作)。人間の深奥に潜む、悪意、ユーモア、想像力を、鋭い感性で描いた3作品。文学界に衝撃を与えた鮮烈なるデビュー作。
- 江利子と絶対
- 生垣の女
- 暗狩
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(2005年6月)
「あたしは絶対、人とは違う。特別な人間なのだ」――。女優になるために上京していた姉・澄伽(すみか)が、両親の訃報を受けて故郷に戻ってきた。その日から澄伽による、妹・清深(きよみ)への復讐が始まる。高校時代、妹から受けた屈辱を晴らすために……。小説と演劇、2つの世界で活躍する著者が放つ、魂を震わす物語。
あらすじを見ると、「恐怖の事件」だとか、「殺したくなるほど憎々しい」とか、「復讐」だとか、書いてあってドロドロした物語を想像されるかも知れませんが、そんなことはなくふざけた物語です。
一番おもしろい点は、「人から笑われている人が、人を笑う」という事だと思います。「目くそ鼻くそを笑う」など慣用句としても生きている言葉が、物語として表現されているというのがおもしろいです。
ぜつぼう(2006年4月)
鬼才・本谷有希子の絶望の最新長編小説。 ぜつぼう、から人間は立ち直れるのか? 売れなくなった芸人の絶望の人生。希望よりも絶望することの方が生きる力に溢れているという人間の性を描く話題作。
生きてるだけで、愛。(2006年7月)
あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ。25歳の寧子は、津奈木と同棲して三年になる。鬱から来る過眠症で引きこもり気味の生活に割り込んできたのは、津奈木の元恋人。その女は寧子を追い出すため、執拗に自立を迫るが……。誰かに分かってほしい、そんな願いが届きにくい時代の、新しい“愛”の姿。芥川賞候補の表題作の他、その前日譚である短編「あの明け方の」を収録。
遭難、(2007年5月)戯曲
「トラウマ」のせい? 単なる「嘘つき」?
鶴屋南北戯曲賞、最年少受賞! 放課後の職員室。乗り込んできたのは自殺未遂の生徒の母親。「諸悪の根源」は誰なのか? 本谷有希子の話題の戯曲を完全収録。
イママン 本谷有希子マンガ家インタビュウ&対談集(2007年11月)
『本谷有希子のオールナイトニッポン』の山本直樹、こうの史代、赤松健など人気マンガ家への突撃インタビューを完全収録。
さらに二ノ宮知子への新録インタビュー、とりみき、しりあがり寿との対談を加え、待望の単行本化!
乱暴と待機(2008年2月)
二段ベッドが置かれた、陰気な借家に同居する“妹”こと奈々瀬と“兄”英則。奈々瀬は家にこもり、「あの日」から笑顔を見せなくなった“兄”を喜ばせるため日々「出し物」のネタを考えながら、英則からこの世で最も残酷な復讐をされる日を待ち続けている。一方、英則はそんな“妹”を屋根裏に潜り込んでは覗く、という行為を繰り返していた。そこへ英則の同僚・番上が訪れ・・・・。文庫版の解説は穂村弘。
元は戯曲として書かれたもの。単行本で発売されているのは小説版です。
ほんたにちゃん(2008年3月)
90年代。東京。クリエイターになりたくて上京し、写真専門学校に入学したほんたにちゃんは、生まれた時点ですでに手遅れ、自分の感性をうまく周囲にアピールすることができず、痛い勘違いを繰り返しながら、ジタバタと脳内で悶絶する毎日を送っていた。そんなある日、飲み会で出会ったカリスマ・アーティストに、作品のモデルになってほしいと頼まれたが―――それが死闘の幕開けだった!
グ、ア、ム(2008年6月)
北陸育ちの姉妹。長女は大学を出たもののバイト生活を送る、いわゆる「ワーキングプア」。そんな姉を反面教師にした次女は、高卒で信用金庫に就職。姉妹は母も交えた女三人でグアム旅行に出かけることになるが、長女の身勝手な行動のせいで、早くも旅は不穏なムードに……。時代の理不尽、血の繋がった女同士のうっとうしさを、シニカルな筆致で笑い飛ばす、奇妙で痛快なホームドラマ。
偏路(2008年9月)戯曲
幸せ最高ありがとうマジで!(2009年3月)戯曲
第53回・岸田國士戯曲賞受賞作! 気鋭・本谷有希子のパルコ劇場デビュー作! ある日突然やってきた得たいの知れない女によって抉れ出されるある一家の“不幸”。それはまるで、テロだった。
あの子の考えることは変(2009年)
Gカップの「おっぱい」を自分のアイデンティティとする23歳フリーター・巡谷。同居人は、「自分は臭い」と信じる23歳処女・日田。ゴミ処理場から出るダイオキシンと自分の臭いに異常な執着を見せ、外見にまったく気を遣わぬ日田のことを、巡谷はどうしても放っておけない。日田だけが巡谷の「気が触れそうになる瞬間」を分かってくれるのだ。二人一緒なら、どうしようもなく孤独な毎日もなんとかやっていける――。
来来来来来(2010年6月)戯曲
新婚ほやほやの奥さんが、「ご主人様」に失踪された! 嫁ぎ先の家に残された彼女は、義母たちのお世話係に甘んじている——とびきりの「ご褒美」を待ちながら。岸田國士戯曲賞受賞後第一作。
ぬるい毒(2011年6月)
あの夜、同級生と思しき見知らぬ男の電話を受けた時から、私の戦いは始まった。魅力の塊のような彼は、説得力漲る嘘をつき、愉しげに人の感情を弄ぶ。自意識をずたずたにされながらも、私はやがて彼と関係を持つ。恋愛に夢中なただの女だと誤解させ続けるために。最後の最後に、私が彼を欺くその日まで──。一人の女の子の、十九歳から五年にわたる奇妙な闘争の物語。渾身の異色作。
嵐のピクニック(2012年6月)
弾いている私の手首の下に尖った鉛筆が近づく――。優しいピアノ教師が見せた一瞬の狂気「アウトサイド」、カーテンの膨らみで広がる妄想「私は名前で呼んでる」、ボディビルにのめりこむ主婦の隠された想い「哀しみのウェイトトレーニー」他13編。キュートでブラック、しかもユーモラス。異才を放つ著者初の短編集にして、大江健三郎賞受賞作。
かみにえともじ(2012年8月)
漫画週刊誌「モーニング」で3年半にわたり連載された大人気コラム。劇団主宰にして気鋭の小説家が、携帯の紛失や愛猫の血尿事件など私生活から小説執筆中の苦悶、計4回の劇団公演(永作博美、長澤まさみらが出演)の裏側まで、軽やかにぶっちゃける。ギャグ漫画家・榎本俊二によるイラストとの丁々発止も絶妙。「私は断固、傷つき続けるからな!」など、読むと吹き出しもするけど勇気も灯る言葉が満載!
『モーニング』(講談社)にて連載された「かみにえともじ」をまとめた書籍。
文・本谷有希子、絵・榎本俊二という組み合わせのエッセイ作品です。
本谷有希子のこの映画すき、あの映画きらい(2012年8月)
劇作家の本谷有希子が、2009年以降に日本で公開された、
洋画、邦画、約70作品について語り、採点(※☆10個)。
高評価だけでなく、辛口コメントもありますが、
全てに愛がこもっています。
自分を好きになる方法(2013年7月)
16歳のランチ、28歳のプロポーズ前夜、34歳の結婚記念日、47歳のクリスマス、3歳のお昼寝タイム、63歳の何もない一日。リンデは「お互い心から一緒にいたいと思える相手」を求め続ける。密やかな孤独と後悔、それでも残るほのかな期待を丁寧に描いて、女性たちの圧倒的な共感を呼んだ第27回三島由紀夫賞受賞作。『異類婚姻譚』で2016年度芥川賞を受賞した人気作家による長編。
異類婚姻譚(2016年)
子供もなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付く。「俺は家では何も考えたくない男だ。」と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間にか夫婦の輪郭が混じりあって…。「夫婦」という形式への違和を軽妙洒脱に描いた表題作が第154回芥川賞受賞! 自由奔放な想像力で日常を異化する傑作短編集。
静かに、ねぇ、静かに(2018年8月)
芥川賞受賞から2年、本谷有希子が描くSNS狂騒曲!海外旅行でインスタにアップする写真で“本当”を実感する僕たち、ネットショッピング依存症から抜け出せず夫に携帯を取り上げられた妻、自分たちだけの“印”を世間に見せるために動画撮影をする夫婦――。SNSに頼り、翻弄され、救われる私たちの空騒ぎ。