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時代を越えて受け継がれる、日本の名作文学、傑作小説を紹介します。
今回の記事では原爆、核兵器の時代を題材とした作品を選びました。
題材が題材だけに悲しく、悲惨な描写のある作品が多いですが、一度は読んでみて欲しい作品ばかりです。ロシアとウクライナの戦争でも核兵器が使われるのかなどと論争が巻き起こっている時代だけに、核兵器の是非を考える際の一助にもなるでしょう。
原爆、核兵器を題材とした日本のおすすめ名作小説・文学10選
原民喜『夏の花』
現代日本文学史上もっとも美しい散文で、人類はじめての原爆体験を描き、朝鮮戦争勃発のさ中に自殺して逝った原民喜の代表的作品集。被爆の前年に亡くなった妻への哀悼と終末への予感をみなぎらせた『美しき死の岸に』の作品群、被爆直後の終末的世界を、その数カ月後に正確な筆致で描出した『夏の花』三部作、さらに絶筆『心願の国』『鎮魂歌』などを収録する。大江健三郎編・解説
今日は原民喜の没後70年。代表作『夏の花』は、亡き妻の初盆を迎える1945年8月を静かに描いた作品。突然頭上を襲った一撃。「ふと己れが生きていることと、その意味が、はっと私を弾いた。このことを書きのこさねばならない」。吉祥寺・西荻窪間の線路上に身を横たえ自死。☞ https://t.co/oLsWRvviki pic.twitter.com/iHBZdQ4GDQ
— 岩波書店 (@Iwanamishoten) March 13, 2021
八月が近づくと原民喜「夏の花」を思い出す。彼は静謐な筆致で被爆体験を文学にした。梯久美子『原民喜』(岩波新書)はこの孤独な詩人・小説家の評伝。岩波新書80周年にふさわしい一冊だ。#原民喜 #夏の花 #梯久美子 #岩波書店 #岩波新書 pic.twitter.com/mmgE4XbK0n
— mbooker (@mbooker1096) July 22, 2018
遠藤周作さんがエッセイのなかで、「原民喜の『夏の花』を是非読んでください」と書いていました。戦争文学の最高峰です。僕は映画で戦争を学びましたが、『夏の花』で思いは確固たるものになりました。娘も読んでくれないかなぁ、まだ早いかなぁ。 pic.twitter.com/1xCldCDBoO
— 佐川長(たける) (@sagawa_takeru) February 19, 2022
井伏鱒二『黒い雨』
一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨のなかを人々はさまよい歩く。原爆の広島――罪なき市民が負わねばならなかった未曾有の惨事を直視し、“黒い雨”にうたれただけで原爆病に蝕まれてゆく姪との忍苦と不安の日常を、無言のいたわりで包みながら、悲劇の実相を人間性の問題として鮮やかに描く。被爆という世紀の体験を、日常の暮らしの中に文学として定着させた記念碑的名作。野間文芸賞受賞。
#読了 井伏鱒二『黒い雨』
— だいだいメガネ🍊👓️ (@pusttww9741931) August 15, 2022
原爆がいかに命を奪い生活を破壊したか、被爆者の目線から語られる様が壮絶だった
人びとの苦しみ、積み上がった死体は、ただの数字や概念ではない
核兵器が使われることがあってはならない。核廃絶が叶わなくても、だからこそ、それを訴え続けていかなければいけないと思う pic.twitter.com/YnW3Az0lOy
「黒い雨」
— 0 (@u_ta_ka_ta_3) April 4, 2022
井伏鱒二
黒い雨にうたれただけで原爆病に蝕まれてゆく矢須子
「今から、もし、向こうの山に虹が出たら奇蹟が起る。白い虹でなくて、五彩の虹が出たら矢須子の病気が治るんだ」どうせ叶わぬことと分かっていても、重松は向うの山に目を移してそう占った。#黒い雨#井伏鱒二#戦争反対 pic.twitter.com/m3Y03WovuQ
井伏鱒二「黒い雨」読了
— 春ノ宵 (@02_harufruhling) August 5, 2019
8月に読みたいと思っていて間に合って良かった
広島原爆被災者の体験談が題材となっている。
主人公の重松の経験と家族や知人の話も合わせ、ある理由で「被爆日記」を書き上げていく
この「被爆日記」の内容がかなり衝撃的で食欲も無くなるほど。
「戦争は人間が起こしたもの pic.twitter.com/AoTQUUrDNp
大田洋子『屍の街』
真夏の広島の街が、一瞬の閃光で死の街となる。累々たる屍の山。生きのび、河原で野宿する虚脱した人々。僕死にそうです、と言ってそのまま息絶える少年。原爆投下の瞬間と、街と村の直後の惨状を克明に記録して1度は占領軍により発禁となった幻の長篇「屍の街」。後遺症におびえ、狂気と妄想を孕んだ入院記「半人間」。被爆体験を記した大田洋子の“遺書”というべき代表作2篇。
8月6日は広島市への原子力爆弾投下の日。
— 小鳥遊書房_公式 (@takanashishobou) August 6, 2022
あの日、何が起きたのか。そして生き延びた人々はその後、どう生きたのか。
弊社からは大田洋子原爆作品集『屍の街』『人間襤褸/夕凪の街と人と』(長谷川啓編)が出ています。
鬼気迫る筆致です。一人でも多くの方へ、届きますように(小鳥) pic.twitter.com/jSQi1Ye28A
今回の @nhk_1945shun のヘイトツイートをきっかけに、大田洋子の「屍の街」をちょっと読み返してみた。傷ついた人々と街の様子を詳細に描写する一方で、当時の広島市に何万人もいた朝鮮人についての言及はこれだけ
— ゆーすけ💙💛 (@yoox5135) August 21, 2020
「何宮という朝鮮人の宮さんが亡くなったことを聞いた」
#ひろしまタイムライン pic.twitter.com/UyGlZVjQER
大田洋子「屍の街」読了
— しまちゃん (@JeffB_kay) August 9, 2022
「西の家でも東の家でも、葬式の準備をしている。きのうは、
—略—
今日は二、三日まえ道で出会ったきれいな娘が、髪もぬけ落ちてしまい、紫紺いろの斑点にまみれて、死を待っていると聞かされる。」
原爆文学の埋もれた秀作。 pic.twitter.com/TSOmtuPHuR
福永武彦『死の島』
冬の朝、薄気味の悪い夢からさめた相馬鼎は創作ノートを繰りながら机の上に掛けられた絵を眺める。彼は300日前に展覧会場でみたその「島」という作品にひきつけられ、作者の萌木素子を尋ねる。暗い蔭をたたえた被爆者の彼女は、あどけなく美しい年上の相見綾子と二人で住んでいる。相馬が勤務先の出版社について間もなく、広島の病院から二人が心中したという報せをうける……。
死の島/福永武彦#読了
— しまねこ (@shima_neko_13) November 2, 2021
確実に人生ベスト5に入ります。
芸術的な構成や美しい叙情的な文章に最初は読んでしまうのが勿体ないと思っていたのですが、気が付けば徐々に飲み込まれそうになる自分にブレーキをかけながら読み進めていました。
魂が揺さぶられる以上に抉られてしまった… pic.twitter.com/zxoFtfqOQD
忘れてはいけない戦争の悲劇。
— 森 功至 (@katsuji_mori) August 5, 2020
今日は、広島に原爆が投下された日。
終戦の年に生まれた僕は戦争を知らない。
福永武彦著「死の島」
汽車が広島駅に着いたとき、駅員の「ひろしまあ ひろしまあ」の声が「しのしまあ しのしまあ」と聞こえたとある。
もう一度読んでみたいと取り寄せることにした。
今年のベストだった本は福永武彦の「死の島」
— しまねこ (@shima_neko_13) December 31, 2021
芸術的な構成と魂が抉られるような感覚に作品に呑み込まれないように読み進める必要がありました…
″こんな作品が読みたかった″と思わせてくれる素晴らしい読書体験をすることができました。
「三体」とめちゃくちゃ悩みました…笑 pic.twitter.com/WkW5qHP4gA
井上光晴『地の群れ』
昭和16年。とある少年が、炭坑で朝鮮人の少女を妊娠させてしまう。やがて、成長した彼は、佐世保で開業医として働くようになる。そんな中、原爆病の患者を診た時に、自らも父を原爆で亡くし、未解放部落出身者であったことを思い出す。
Googleより引用
井上光晴「地の群れ」読みました。オールタイムベスト小説の1つ。日本という国家に踏み躙られる被害者、彼らにすら根源的な差別の意識があり、そうして他者を踏み躙りまた踏み躙られる。飽くなき地獄の連鎖、いつだって現実だ。こういう加害者の文学を私は書きたい。私にとっての聖書だ、これは。 pic.twitter.com/RoQKNULwLK
— ゼロモチベーション済藤鉄腸 (Tettyo Saito) (@GregariousGoGo) May 4, 2021
井上光晴『地の群れ』読了。長崎の地で。原爆、炭鉱、部落。 pic.twitter.com/u0uw213Sd2
— ばーとるびー (@labyrinthnoire) April 17, 2020
井上光晴『地の群れ』読了。
— 慕燕姿 (@mumianzi2896) April 3, 2017
煮えたぎった黒い油の泡を、ずっと見せられているようだった。
差別、排他、侮辱、暴力。先の震災の後にも、人の心は同じように動いている。同情とか感動とかそういう薄っぺらいものではなく、悔しさとか怒りに似たものが喉に上がってきた。
林京子『祭りの場』
如何なれば膝ありてわれを接(うけ)しや──。長崎での原爆被爆の切実な体験を、叫ばず歌わず、強く抑制された内奥の祈りとして語り、痛切な衝撃と深甚な感銘をもたらす、林京子の代表的作品。群像新人賞・芥川賞受賞の「祭りの場」、「空罐」を冒頭に置く連作「ギヤマン ビードロ」を併録。
【8/9 #長崎原爆の日】林京子著『祭りの場・ギヤマン ビードロ』(講談社文芸文庫)如何なれば膝ありてわれを接(うけ)しや──。長崎での原爆被爆の切実な体験を叫ばず歌わず、強く抑制された内奥の祈りとして語り、痛切な衝撃と深甚な感銘をもたらす、林京子の代表的作品https://t.co/j6URbFH61H pic.twitter.com/S8g1PeJ6Ae
— 講談社文庫 (@kodanshabunko) August 8, 2022
「夏の花」原民喜(広島)
— 香月夕花@「やわらかな足で人魚は」 (@YukaKatsuki) August 6, 2021
「祭りの場」林京子(長崎)
被爆の実体験に基づく小説です。この機会にぜひ。
内容は悲しみとか怒りの次元を越えています。読みながら「なんで?」という言葉しか出てこない。
ここに登場する人々も、みんな私たちと同じように普通に暮らしていたのにね。#原爆の日 pic.twitter.com/kmiwHv4N3L
8回目の311。
— イスーカワ (@ishikawakz) March 11, 2019
読んでいるのは、長崎における原爆被ばく体験を描いた林京子さんの小説です。
「祭りの場」と「2人の墓標」を読了。
作者を襲っただろう被ばく症状の記述は克明。
非常にリアルで平明率直な描写から生命の儚さ、核エネルギーがもたらす破壊の本質の法外さが浮かび上がります。 pic.twitter.com/WAZ8pkngE4
佐多稲子『樹影』
被爆地長崎。敗戦後3年目の夏、華僑の女柳慶子と画家麻田晋は出遭った。原爆病に脅かされる2人はいたわり合い、自らの生を確かめるように愛し合い、10数年の苦痛の果てに死んで行った。著者の故郷長崎の、酷く理不尽な痛みを深い怒りと哀惜をこめて強靱に描く。原爆を告発した不朽の名作。野間文芸賞受賞。
佐多稲子「樹影」(講談社文芸文庫)読む。
— 赤目 (@akamenomenoaka) April 23, 2022
戦後長崎を舞台に、華僑の女と妻子ある画家の男の出逢いと道ならぬ恋。十数年経って蝕む原爆症への恐れと生活の不如意、そして不倫と、主人公らの心情を細かに描いて読ませる。しかし、退屈ではないが地味。そして地味だが、哀切。最終4章は不要派です。#読了 pic.twitter.com/bobz2siVvq
一瞬の閃光が全てを吹き飛ばし燃やし尽くす核兵器が、一方で生き延びた人々のその小さな人生の隙間に入り込み緩慢な死へ導いてもいくという、そんな有り様が戦後長崎の街を舞台に淡々と描かれた小説、佐多稲子『樹影』。 pic.twitter.com/Hs5C10vl3X
— 古書 防破堤 (@bouhateibooks) August 9, 2020
すこしまえに読了した、佐多稲子『樹影』は、戦後長崎を舞台に、華僑の女性と、妻子ありの画家の男性のあいだの、恋愛、そして生と死をめぐる物語で、原爆症に侵される人々の話を織り交ぜていて、「あの夏」に思いを巡らせるのにぴったりのお話でした。
— 新刊を作っている小澤 (@miyayuki777) August 14, 2022
竹西寛子『儀式』
あの戦争を、原爆を、終戦を、作家たちは、どう小説に刻んだのか。戦後70年を経ても、文学が捉えた戦争のリアルは、色褪せない。
阿紀は、和枝の屍体も見ていない。
— 平野啓一郎 (@hiranok) August 6, 2022
恵美子の屍体も。
郁子の屍体も。
潤子の、喜代子の、和枝の、弥生の、それぞれの臨終を見届けたという誰にも、まだ行き会っていない。
あの夏をさかいにして、多くの人々が口を噤み、それ以後、決して阿紀の前に姿を見せなくなってしまった。(『儀式』竹西寛子)
竹西寛子『儀式』を読んだが…戦争における喪失とは人の不在を指すだけではない…屍体を見ていないということ、儀式すらも奪われたということ…このショックと怒りを私はいま知った…
— みどりのさかな (@midorinosakana1) September 21, 2022
きょうは竹西寛子『儀式』(中公文庫)を持ち歩いて再読しよう。いわゆる原爆小説だが、ゲンバクという文字もヒロシマという文字も小説には出てこない。
— 荒川佳洋 (@y_arakawa1970) August 6, 2013
大庭みな子『浦島草』
広島で被爆した女性が、庭先に浦島草の咲く東京の家でひっそりと暮らす。そこへ11年ぶりにアメリカ留学から主人公の雪枝が帰って来る。後を追う恋人のマーレック。女性には雪枝の兄・森人との間に、自閉症の息子・黎がいた。多くの人物が広島の滅びの光景を引きずり、物語が進む。人間の無限の欲望と、その破滅を予感する作家が、女たちの眼を通して創出した、壮大で残酷な詩的小説世界。
最近、ウラシマソウってあんまり見かけなくなった。
— ecce (@ecce10) August 17, 2022
大庭みな子『浦島草』より。
「原爆はね。あれは人間の欲望です。自分以外の人間を殺して、人間は自分だけ生きのびようとするんです。そして、その結果、自分も滅びるんです」 https://t.co/oU65PU0gdc
大庭みな子『浦島草』を読み終えて、この人の人間に対するまなざしの鋭さに魅了された。著者が10年暮らした米国と、幼少期を過ごした新潟の蒲原。そして小説に登場する広島は、私とも少なからず縁のある場所。復刊してほしいです。 https://t.co/Zj19UHEywQ
— 奥田みのり (@minori_okd) May 29, 2018
大江健三郎『新しい人よ眼ざめよ』
神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩(プロフェシー)に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。無垢という魂の原質が問われ、やがて主人公である作家は、危機の時代の人間の<再生>を希求する。新しい人よ眼ざめよとは、来たるべき時代の若者たちへの作者による、心優しい魂の呼びかけである。大江文学の一到達点を示す、感動を呼ぶ連作短篇集。
新しい人よ眼ざめよ/大江健三郎 #読了
— 想識 (@Sohshiki_Luna) May 22, 2022
障害を持つ息子イーヨーとの共生を、ブレイクの詩を媒介に描いた連作短編集。
イエスの思想の核心をなす「罪のゆるし」。無垢の力を持つ新しい思想と、破壊される古い思想としての自己。破壊者と自己の死を肯定し、全てを赦し、無垢の力を得て再生する己を感じろ pic.twitter.com/tFHstyrNXz
#読了
— 倉本憲一 読書会主宰 (@ace_c8v49k) January 26, 2022
『新しい人よ眼ざめよ』
大江健三郎
脳に障害を持つ語り手(作家)の息子「イーヨー」を中心とした家族の連作短篇集。
ウィリアムブレイクの預言詩の引用で作品が展開される。
「イーヨー」連れさりエピソードその6がスリリングだった。
自分の子を題材に書く事に強い批判はあったんだろうな。 pic.twitter.com/T3AXhAo3rL
『新しい人よ眼ざめよ』大江健三郎
— 咲 (@bo_barren_ok) February 9, 2020
ウィリアムブレイク研究者の「僕」が、障害をもった息子の生き方、彼の光ある未来について、ブレイクの詩を紐解きながら想いを巡らせる所には父親としての愛情が見える。
「イーヨー」と呼ばれていた息子が本名の「光」と呼ばれる事を望む結末には、正に光がみえる。 pic.twitter.com/9HjJo7yEkd