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館シリーズ第9作。
作品情報
- タイトル
- 奇面館の殺人
- 著者
- 綾辻行人
- 形式
- 小説
- ジャンル
- ミステリ
- 執筆国
- 日本
- 版元
- 講談社
- 初出
- 書き下ろし
- 刊行情報
- 講談社文庫
あらすじ・概要(ネタバレなし)
季節外れの吹雪で孤立した館、奇面館。主人影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれの仮面を被らされた。前代未聞の異様な状況下で、事件は進展する。主人の〈奇面の間〉に転がっていたのは、頭部と両手の指を切り落とされた凄惨な死体。六人の仮面には鍵がかけられていた。名探偵・鹿谷門実の圧巻の推理が始まる!
目次
作者
綾辻 行人 あやつじ・ゆきと(1960年12月23日 – )
京都府生まれ。京都大学教育学部卒業。京都大学院博士後期課程修了。在学中は京都大学推理小説研究会に所属する。1987年に『十角館の殺人』でデビュー。「新本格ミステリ」ムーヴメントの嚆矢となる。1992年に『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。「館」シリーズという一連の長編は、現代本格ミステリを牽引しつづけている。ミステリ、ホラー、怪談など幅広く活躍。代表作に『十角館の殺人』『時計館の殺人』『Another』など。
刊行情報
- 2012年1月 講談社ノベルス
- 2015年4月 講談社文庫上下
登場人物
※本作において登場人物たちは仮面をかぶって行動しています。
影山 逸史(かげやま いつし)
現在の奇面館の主人。「表情から互いの感情を推し量る」という行為に嫌悪や恐怖心を抱いており、人前では基本的に<祈りの仮面>という仮面で顔を隠し、対面する相手の顔も仮面で隠すようにルールを設けている。
<歓びの仮面>
「S企画」という会社の社長。姓名判断の結果を元に下の名前を表向き「創馬」と改名しているため、「社長」「創馬社長」という通称で呼ばれている。
<驚きの仮面>
忍田天空(おした てんくう)の名前で活動するマジシャン。
<嘆きの仮面>
小栗虫太郎の小説「黒死館殺人事件」の登場人物である「降矢木算哲」の生まれ変わりを自称している変わり者。「教授」「算哲教授」と呼ばれている。
<懊悩の仮面>
設計士。クリスチャンであり、館の中では洗礼名の「ミカエル」と呼ばれている。
<怒りの仮面>
兵庫県警の警察官。元捜査一課の刑事だが捜査中に左足に怪我を追って後遺症が残ったことから閑職に回された。通称はヤマさん。
新月 瞳子(にいづき とうこ)
メイド。薬学部の大学生で、影山家に仕えている叔母が切迫流産の危険で緊急入院したため、その紹介で代理のメイドとして雇われた。
鬼丸 光秀(おにまる みつひで)
影山の秘書。
長宗我部(ちょうそかべ)
奇面館の管理人。
鹿谷 門実(ししや かどみ)
推理作家。日向京助の身代わりとして奇面館を訪れた。与えられた仮面は<哄笑の仮面>。
日向 京助(ひゅうが きょうすけ)
主に怪奇幻想小説を執筆している駆け出しの作家。容姿が鹿谷によく似ており、突発性難聴の治療のために集まりへの参加が不可能になったことから鹿谷に身代わりを依頼した。かつて別の筆名でフリーライターをしていた時に奇面館を建てた影山透一を取材したことがあり、その際に息子の逸史とも会っている。
感想・解説・評価
綾辻行人が描く吹雪の山荘第2弾
#綾辻行人「奇面館の殺人」#読了
— 右手@ものかき (@migite1924) 2020年2月25日
おすすめ度:☆☆☆☆★
館シリーズ9作目。舞台は様々な仮面が並ぶ「奇面館」。主人・影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれの仮面を被らされ、主人との対面に臨みます。異様な館の中では殺人事件が起き…https://t.co/MP6hmtSPu8 pic.twitter.com/l7stqcTc35
いわゆる吹雪の山荘もの。嬉しかったのは、鹿谷が実際に館の中にいて事件に遭遇したことです。安楽椅子探偵より、水車館や迷路館のように探偵役が事件に遭遇する作品の方が好きなので。特に鹿谷の内面の逡巡も描かれ、満足でした。
— 右手@ものかき (@migite1924) 2020年2月25日
綾辻先生はホラー、オカルト、怪奇小説(的なミステリ)も書かれていますが、本作はかなり堅実なミステリ作品。大きな仕掛けがあるというよりも、探偵が事件に遭遇し、可能性を検討し、真相に辿り着くという構成はやっぱり読んでいて楽しいですね。
— 右手@ものかき (@migite1924) 2020年2月25日
登場人物たちが全員仮面をつけているため、入れ替わりを考えなければならないのも〇。様々な可能性をキャラクターが提示してくれるため、僕みたいに鈍い人でもスラスラ読んでいけます。似たシチュエーションの「霧越邸殺人事件」より読みやすかったです。
— 右手@ものかき (@migite1924) 2020年2月25日
トリックも素晴らしく、真犯人についてはまったく分からずじまいで驚いてばかりでした。ただ、館の客の共通点には少し疑問も。別の作家の作品の○○○○なら分かるのですが、難しくないかなと思ってしまいました。最後の怒涛の種明かしには思わずそうだったのかと唸ってしまいましたけれども笑
— 右手@ものかき (@migite1924) 2020年2月25日
合わせて読みたい本
十角館の殺人
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける! 1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。
著者のデビュー作ともなったシリーズ第1作。
館シリーズは刊行順に読んでいくべき作品です。読んでいなかったらぜひ読みましょう!
霧越邸殺人事件
信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」。訪れた劇団「暗色天幕」の一行を迎える怪しい住人たち。邸内で発生する不可思議な現象の数々…。閉ざされた“吹雪の山荘”でやがて、美しき連続殺人劇の幕が上がる!
館シリーズの番外編に位置付けられている作品です。
舞台設定は、本作と同じ吹雪の山荘もの。
僕は「奇面館の殺人」の方が好きですが、「霧越邸」を綾辻行人のベスト作品に選ぶ方もいます。
評判・口コミ・レビュー
【奇面館の殺人(上/下)綾辻行人】 読了
— aさん (@asn_book) 2018年8月22日
鍵のかかる仮面。雪で孤立した館。
顔の見えない登場人物。
人智では計り知れぬ”魔力”
○○館と同じトリック!?
かと思ったけどそんな訳なかった。
“本質は表層に”あるとわかったときのスッキリ感はさすが綾辻さん。 鹿谷門実ファンには堪らない1冊。 pic.twitter.com/JuuUNnunkj
綾辻行人『奇面館の殺人』上下 読了。
— 柚妃@読書垢 (@simoyuzu1) 2019年3月3日
作者の罠にまたもや引っかかりました。目先の大きな謎はきっとミスリードだと思って考えてみましたが、真相は至って単純明快でした。重要なヒントも完全にスルーしてました……。仮面に対する解釈が綾辻先生らしくて安心しました。 pic.twitter.com/Dw4s9J43Ng
#読了
— ひとご都@第7銀河 (@hitogotonanode) 2020年1月5日
綾辻行人「奇面館の殺人」
⭐今年初の読了&館シリーズ制覇しました⭐
面白かった〜!鹿谷さんの推理を堪能できて、かつドキドキと奇妙さが最後まで続きました◎
十角館から読み始めて、この読後感は何とも不思議♥
シリーズ制覇できたのはやはり「面白いから」デス🏠 pic.twitter.com/7tHbEMJbqU
綾辻行人さんの『奇面館の殺人(下)』#読了
— たまころ (@fuchan7272) 2019年3月3日
館シリーズ第9弾。
大雪により閉ざされた館にて主が頭部と十指を切断され発見された。
脱げない仮面を被せられた客人が各々の正体を疑い始める中、鹿谷が事件の真相と館の謎に迫る。
怒涛の解決編!鹿谷の推理たっぷりで一気読みでした!満足! pic.twitter.com/d7EDD02Ytg
綾辻行人『奇面館の殺人』(上)・(下)読了。鹿谷が語り手の一人で安心していたのも束の間、深く昏い沼地に意識が引きずり込まれ途中からはまったく油断できなかった。ミステリに慣れた読者を嘲笑うがごとき展開に翻弄され真実は最後まで見えない。エピローグの読み味は格別であった。第十作が楽しみだ。 pic.twitter.com/MnsSs9Aieg
— りこ (@pistolstar_1742) 2020年2月17日
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