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長嶋 有 ながしま・ゆう(1972年9月30日 – )
小説家、漫画家、俳人。埼玉県草加市生まれ、北海道登別市、室蘭市育ち。東洋大学2部文学部国文学科卒業。少年時代には漫画やライトノベルを好むも、高橋源一郎『ジョン・レノン対火星人』や色川武大「連笑」を読み影響を受ける。
その後、シヤチハタに就職し、文学賞への投稿を開始。退職後は作品執筆やフリーライターとしての活動を経て、『サイドカーに犬』が第92回文學界新人賞を受賞しデビュー。2002年「猛スピードで母は」で第126回芥川賞を受賞した。2016年『三の隣は五号室』で第52回谷崎潤一郎賞受賞。
おすすめ作品ランキング
長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!
- 1位:夕子ちゃんの近道
- 2位:猛スピードで母は
- 3位:パラレル
長嶋有の小説年表リスト
『猛スピードで母は』(2002年1月)
「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」。小6の慎は、結婚をほのめかす母をクールに見つめ、母の恋人らしき男ともうまくやっていく。現実に立ち向う母を子どもの皮膚感覚であざやかに描いた芥川賞受賞作に加え、大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんと小4の薫の奇妙な夏の日々を爽やかに綴った文學界新人賞受賞作「サイドカーに犬」を収録。子どもの視点がうつしだすあっけらかんとした現実に、読み手までも小学生の日々に引き戻される傑作短篇2篇。
『タンノイのエジンバラ』(2002年12月)
人が一日に八時間働くというのが信じられない。八という数字はどこからきたのだろうか。なんだか、三時間でいいんじゃないかもう……(「夜のあぐら」より)。なぜか隣室の小学生の娘を預かることになった失業中の俺のちぐはぐな一夜を描く表題作。真夜中に実家の金庫を盗むはめになった三姉妹を描く「夜のあぐら」。ロードムービーの味わいの「バルセロナの印象」。そして20代終わりの恋をめぐる「三十歳」。リアルでクールな、芥川賞受賞後初の短篇集。
『ジャージの二人』(2003年12月)
芥川賞作家のアンチ・スロー小説。
失業中で小説家志望の息子。妻はよその男と恋愛中。三度目の結婚生活も危うそうな、写真家の父親。そんな二人が軽井沢の山荘で過ごす、とりとめのない夏の終わりの思い…。
『パラレル』(2004年6月)
妻の浮気が先なのか、それとも僕が勝手に会社を辞めたせい?
とにかくゲームデザイナーの僕は失職し、離婚した。長年の親友でキャバクラ大好き・顔面至上主義者の津田と、別れた後もしきりにメールをよこす元妻、そして僕の新しい恋人……錯綜する人間関係と、男と女の微妙なくい違いを絶妙な距離感で描く、長嶋有初の長篇。タランティーノ監督の映画をイメージして書いたという斬新な構成と、思わず書きとめたくなる名言満載の野心作!
『泣かない女はいない』(2005年3月)
ごめんねといってはいけないと思った。「ごめんね」でも、いってしまった。―埼玉郊外の下請け会社に、事務として中途入社した、澤野睦美。恋人・四郎と同棲する彼女に、不意に訪れた心変わりとは?話題の表題作ほか、「センスなし」を収録。恋をめぐる心のふしぎを描く魅力あふれる小説集。
『夕子ちゃんの近道』(2006年4月)
風呂の攪拌(かくはん)棒を人にあげたがる女、鋸(のこぎり)を上手に使う娘、北の湖を下の名前で呼ぶフランス人、そして空気の抜けるような相槌をうつ主人公……。自覚のない(少しだけの)変人たちがうろうろと、しかし優しく動き、語りあう不思議なユートピア。柔らかな題名とは裏腹の実験作でもある、第1回大江健三郎賞受賞作。
第1回大江健三郎賞受賞作、ついに文庫化。フラココ屋というアンティーク屋の2階に居候暮らしを始めた「僕」。店長、常連さん、店長の孫たちなど彼を取り巻く人々と時間の流れを丹念に描く。連作短編集。
『エロマンガ島の三人 長嶋有異色作品集』(2007年6月)
実話にもとづいたゆるくもせつない南国小説に、初のSF、官能小説、ゴルフ小説など著者の異色作を集めた裏ベスト的な楽しい1冊。
『ぼくは落ち着きがない』(2008年6月)
両開きのドアを押して入るとカウンターがある。そこは西部劇の酒場……ではなく図書室だった。桜ケ丘高校の図書部員・望美は今日も朝一番に部室へ行く。そこには不機嫌な頼子、柔道部と掛け持ちの幸治など様々な面々が揃っている。決して事件は起こらない。でも、高校生だからこその悩み、友情、そして恋――すべてが詰まった伝説の不可思議“部室”小説!
『ねたあとに』(2009年2月)
小説家のコモローと、その仲間たちが過ごす夏の山荘で、退屈な時間を紛らわすために発明された独創的なゲームたち。麻雀牌がデッドヒートを繰り広げる「ケイバ」、サイコロの目が恋人のキャラクターを決めていく「顔」、経験と高度な知能戦が要求される「軍人将棋」など、山荘を離れてしまえば無為とも思える遊びの数々が、ひと夏の時間を忘れられないものに変えていく。遊びと企みに満ちた大人の青春小説。
『祝福』(2010年10月)
女ごころを書いたら、女子以上!ダメ男を書いたら、日本一!!長嶋有が贈る、女主人公五人VS.男主人公五人の夢の紅白短篇競演。あの代表作のスピンオフやあの名作短篇など、十篇を収録した充実の一冊!
『佐渡の三人』(2012年9月)
物書きの「私」は、ひきこもりの弟、古道具屋の父とともに佐渡への旅に出る。目的は、祖父母の隣家に住む「おばちゃん」の骨を、郷里の墓に納骨すること。ところが、骨壷をユニクロの袋に入れて運ぶくらい儀礼に構わぬ一族のこと、旅は最初から迷走気味で……。ちょっとズレた家族をしみじみ描いた快作。
『問いのない答え』(2013年12月)
静かなやさしさが皆をつなげる長編小説 震災の直後にネムオがツイッターで始めた言葉遊び。会ったことはないのにつながっている人々の日々を描き、穏やかに心を揺する傑作。
『愛のようだ』(2015年11月)
音楽が流れる瞬間、愛に気づいた――。
大切なものを失う悲しみを、まっすぐに描いた感動作。著者初の書き下ろし。最初で最後の「泣ける」恋愛小説。
40歳にして免許を取得した戸倉は、友人須崎、その恋人琴美の3人で、伊勢神宮へドライブに出かけた。本当の願掛けにいくのだ。車中で交わすとりとめのないおしゃべり、流れる景色、ひととき同じ目的地があるということ…
80~90年代のマンガやポップスがいろどる物語。漫画評論家・ブルボン小林としての活躍も目覚ましい著者の真骨頂!
『三の隣は五号室』(2016年6月)
今はもういない者たちの、一日一日がこんなにもいとしい。
傷心のOLがいた。秘密を抱えた男がいた。病を得た伴侶が、異国の者が、単身赴任者が、どら息子が、居候が、苦学生が、ここにいた。――そして全員が去った。それぞれの跡形を残して。
小さな空間に流れた半世紀を描いて、読む者の心を優しくゆさぶる長嶋有、面目躍如の会心作、ここに誕生。
『もう生まれたくない』(2017年6月)
「誰にも言わないままの言葉をいつか私はしたためよう。亡くなった人に、友達だと思っている人に。ネットに載せて読めるようなのではなくて、そう、空母の中の郵便局にたまる手紙のように」――。
マンモス大学の診療室に勤める春菜、ゲームオタクのシングルマザー・美里、謎めいた美人清掃員の神子。震災の年の夏、「偶然の訃報」でつながった彼女たちの運命が動き始める――。
スティーブ・ジョブズ、元XJAPANのTAIJIなど有名人から無名の一般人、そして身近な家族まで、数々の「訃報」を登場人物たちはどこで、どんなふうに受けとったのか。誰もが死とともにある日常を通してかけがえのない生の光を伝える、芥川・谷崎賞作家の新境地傑作小説!
『私に付け足されるもの』(2018年12月)
芥川賞、大江健三郎賞、谷崎潤一郎賞作家が贈る充実の12作品。
トラに襲われたい。
くっつけたい。
あきらめたい。
地面を掘りたい。
移動したい。
いなくなってほしい。
一緒に日食が見たい。――これは、くだらないのに難しい、願望の話。