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大学ミステリ研究会の七人が訪れた十角形の奇妙な館の建つ孤島・角島。メンバーが一人、また一人、殺されていく。
十角館の殺人の作品情報
- タイトル
- 十角館の殺人
- 著者
- 綾辻行人
- 形式
- 小説
- ジャンル
- ミステリ
- 執筆国
- 日本
- 版元
- 講談社
- 初出
- 新人賞応募作を加筆
- 刊行情報
- 講談社文庫
十角館の殺人のあらすじ(ネタバレなし)
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける! 1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。
十角館の殺人の目次
- プロローグ
- 全十二章
- エピローグ
作者
綾辻 行人 あやつじ・ゆきと(1960年12月23日 – )
京都府生まれ。京都大学教育学部卒業。京都大学院博士後期課程修了。在学中は京都大学推理小説研究会に所属する。1987年に『十角館の殺人』でデビュー。「新本格ミステリ」ムーヴメントの嚆矢となる。1992年に『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。「館」シリーズという一連の長編は、現代本格ミステリを牽引しつづけている。ミステリ、ホラー、怪談など幅広く活躍。代表作に『十角館の殺人』『時計館の殺人』『Another』など。
十角館の殺人の刊行情報
- 講談社ノベルス:1987年9月5日
- 講談社文庫:1991年9月15日
- 講談社文庫《新装改訂版》:2007年10月16日
- YA!ENTERTAINMENT:2008年9月30日
- 限定愛蔵版:2017年9月6日
漫画『十角館の殺人』
清原紘『十角館の殺人』講談社〈アフタヌーンKC〉
十角館の殺人の登場人物
推理小説研究会
研究会の主要メンバーは、それぞれ有名な推理作家にちなんだニックネームで呼ばれている。7人は角島へと渡り、事件に巻き込まれていく。
ポウ
医学部四回生。口髭をたくわえた大柄な男性。無口だがときどき毒のある台詞を吐く。オルツィとは幼馴染。
カー
法学部三回生。中肉中背だが骨太で猫背な男性。三白眼。捻くれた性格で、なにかにつけて他のメンバーに噛み付くことが多い。
エラリイ
法学部三回生。色白で背の高い男性。金縁の伊達眼鏡をかけている。会誌『死人島』の現編集長。マジックが趣味。
ヴァン
理学部三回生。中背の痩せた男性。不動産業を営む伯父のつてで角島での合宿を可能にする。
アガサ
薬学部三回生。ソフト・ソバージュの長い髪をした女性。男性的な性格。
オルツィ
文学部二回生。頬にそばかすの目立つ、ショート・ヘアの小柄で太めな女性。引っ込み思案な性格。日本画を描くのが趣味。ポウとは幼馴染。
ルルウ
文学部二回生。銀縁の丸眼鏡をかけた童顔で小柄な男性。会誌『死人島』の次期編集長。
青屋敷の関係者
中村 青司(なかむら せいじ)
建築家。十角館の設計者。半年前の事件で死亡している。当時46歳。
中村 和枝(なかむら かずえ)
青司の妻。半年前の事件で死亡している。
中村 千織(なかむら ちおり)
青司の娘。1年前に急死している。
本土にいる人物
江南 孝明(かわみなみ たかあき)
研究会の元会員。苗字の読みは「かわみなみ」だが、島田は「こなん」と呼んでいる。研究会時代のニックネームは「ドイル」。
守須 恭一(もりす きょういち)
研究会会員。江南の友人。
島田 潔(しまだ きよし)
寺の三男。中村紅次郎の友人。次兄の修(おさむ)は大分県警警部。
十角館の殺人の感想・解説・評価
やられたと驚かされる傑作ミステリ
本作は綾辻行人のデビュー作です。元々は原型となる作品が江戸川乱歩賞へと投稿されたものの落選。しかし編集部の目に留まり、加筆修正を経て刊行されることになりました。これ以後”新本格”という言葉が一大ムーブメントになります。
僕が十角館の殺人の存在を知ったのは最近の事。すでに「傑作」「やられた!」「驚かされた」という声が伝わってきており、「なにやら読者を驚かせる仕掛け(トリック)があるらしいぞ」ということは想像が付いている中での読書となりました。
そのため、最初から完全に臨戦態勢というか、絶対に見破ってやろう、真相を見極めてやろうと思いながら読んでたんですが、見事にやられました。途中では時折立ち止まりつつ、「真相はこうか?」「犯人は○○?」と僕が立てた予想はことごとく大外れ。想定の一つに含まれていたという人はいても。初見で真相に辿り着けた人などいないんじゃないでしょうか。
とにかく真相が明かされたときの衝撃が大きいです。僕は「…え?」となった後、少しして「ああ、そういうことだったのか!」となりました。
ネットでいくつか感想は見ていましたが、ネタバレを見ていなかったのも大きいです。ネタバレを見ることなく、小説の本文の中で初めて真相を知ってほしい作品です。
合わせて読みたい本
そして誰もいなくなった
解説でも指摘されているように、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』をオマージュした作品になっています。
超有名作品であり、クリスティの代表作です。ミステリファンなら読んでおきたい名作ですね。
十角館の殺人の評判・口コミ・レビュー
#綾辻行人『十角館の殺人』#読了
— 右手@ものかき (@migite1924) 2019年12月28日
最初から完全に臨戦態勢というか、見破ってやろう、真相を見極めてやろうと思いながら読んでたんですが、見事にやられました。
真相が明かされた後は、手際の良さにニヤニヤしながら読了(気持ち悪い)大満足でした#読書好きな人と繋がりたいhttps://t.co/ormLHfUwyh pic.twitter.com/Uin0qUyGsu
十角館の殺人/綾辻行人#読了
— なだ@ほぼ読書垢 (@marsaw_ocean) 2018年1月29日
30年先延ばした初体験が終わった。予想を外れさせる『柔軟な枠組』。ニックネームの妙を炸裂させるタイミング。手品のミスディレクションにやられた時の清々しさと高揚感を満喫した。丹念な作り込みにギュッとしたくなる。他作家の原点にあることが今更よくわかる。 pic.twitter.com/C1fgr5GU7e
『十角館の殺人 限定愛蔵版』読了。約6年ぶりの再読。改訂版は初めて読んだが、細かな配慮がされていて好印象。今や名作古典のような扱いになっている新本格の原点となる本作、やはりよくできている。 pic.twitter.com/xfV2TkcIzI
— らきむぼん (@x0raki) 2019年1月13日
ようやっと十角館の殺人読了
— たら🌾 (@fjjsnfbcjjr1112) 2019年12月27日
いやぁ名作って本当に凄い
ページ進む事にうぇって変な声出っぱなしだし
考えうる最っ高のエピローグだと思う pic.twitter.com/g1vReNs7VA
「十角館の殺人」綾辻行人
— 伊織@きつねのはなし (@iori_yomyom) 2018年1月22日
面白すぎて手が止まらない。夜の3時まで読みふけり、あっという間に読了。帯の文句の通り、「たった1行が、世界を変えた」は間違いない。
作者の企みにのせられないよう、色々と疑いながら読んでいましたがまんまとやられてしまいました。驚愕すること間違いなしです。 pic.twitter.com/VacUumBfhA