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京都大学の男子学生が、ふられたかつての恋人を「観察と研究」という名目で追いかける物語だ。主人公は決して「未練からのストーキング」と認めておらず、あくまで「なぜ、自分は彼女に一時期とはいえ、あれほど心を奪われたのか」「なぜ、彼女は自分を袖にしたのか」という疑問から「研究」するという、青春小説である。
太陽の塔(森見登美彦)の作品情報
- タイトル
- 太陽の塔
- 著者
- 森見登美彦
- 形式
- 小説
- ジャンル
- 青春
- 執筆国
- 日本
- 版元
- 新潮社
- 初出
- 新人賞応募作
- 刊行情報
- 新潮社、2003年
- 受賞歴
- 第15回日本ファンタジーノベル大賞
太陽の塔(森見登美彦)のあらすじ(ネタバレなし)
何かしらの点で彼らは根本的に間違っている。なぜなら私が間違っているはずがないからだ、と宣う、ひねくれた学生の夢想を描いたデビュー作。第15回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。
作者
森見登美彦(1979 – )
1979年、奈良県生まれ。京都大学農学部大学院修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、小説家デビュー。2007年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞、2010年『ペンギン・ハイウェイ』で日本SF大賞を受賞。主な著書に『四畳半王国見聞録』『聖なる怠け者の冒険』『夜行』等がある。
もっと読む【おすすめ】森見登美彦の全作品を一覧であらすじを紹介します
太陽の塔(森見登美彦)の刊行情報
太陽の塔(森見登美彦)の登場人物
私
本作の語り手。大学5回生で自主休学中。3回生の頃、私らが所属していた某体育会クラブに新入生として入会してきた水尾さんと交際するが袖にされる。本人によると水尾さんとは紳士的に別たが、「水尾さん研究」と称してストーカーをしている。
水尾さん
本作のヒロイン。私と交際していた。本作タイトルである太陽の塔をこよなく愛している。
飾磨大輝
私の一番の悪友で法学部5回生。
高藪智尚
大学院生。私、飾磨、井戸の友人。
井戸浩平
大学院生。私、飾磨、高藪の友人。
遠藤正
大学3回生、法学部。水尾さんを巡って、私と不毛な争いを続けていくことになる。
太陽の塔(森見登美彦)の感想・解説・評価
#森見登美彦 の「#太陽の塔」を紹介しました。デビュー作ですでに森見ワールドが展開されていて楽しめること間違いなしです。特に自堕落な大学生活を送った人におすすめですね#読書好きな人と繋がりたい#読書#ブログ初心者
— 右手@文学&漫画ブロガー (@migite1924) 2019年9月11日
太陽の塔(森見登美彦)のあらすじ・解説・感想 https://t.co/VhUdwEMfNm
小説家森見登美彦の原点をなす傑作
森見登美彦といえば、山本周五郎賞を受賞した『夜は短し歩けよ乙女』や、アニメ化された『有頂天家族』が有名だろうか。だが、全ての作家はデビュー作に回帰すると言われるように、森見の原点は本作にあるように思われる。
本作の主人公は「素直」とはとても言えないキャラクターだ。研究と称しストーカー行為に限りなく近い行為を行ったり、恋敵と思われる男の部屋を一大ゴキブリ昆虫王国にしようと画策したりしている。脇役たちも、夢をなくしてしまった男「飾磨」、女性に告白されただけで逃げる巨人「高藪」と癖の強い人物が揃っている。
主人公が元カノのストーカーをしている男と書くとシリアスな小説のようだが、本作ではすでに森見特有の文体が健在。テンポの良い文章、細かい心理描写によって森見ワールドが展開されている。
森見登美彦の小説を読んだことのない人にも、これから読んでいきたいと思っている人にもおすすめの小説だ。
摩訶不思議な青春小説
主人公は京都大学の学生という設定だが、自身も京都大学OBである大森望は「京大生の実態をリアルに描くとマジックリアリズムになる」と本作を評している。
本作は青春小説というカテゴリながら、一風変わった作風であり、とぼけたようなあるいは摩訶不思議なストーリーが展開される。京都大学出身ではない僕にはその雰囲気はわからないが、その摩訶不思議さが「京大生の実態」ならば、その実態とやらを垣間見ることができる小説である。
荒俣宏はファンタジーノベル大賞の選評で、『太陽の塔』の文体は、「あまりに技巧に走りすぎた場合、鼻につく危険のある文体」としている。
少しやりすぎてしまうとうざったらしく勘違いした自称イケメンのようになってしまうし、逆にやらなすぎてしまうと、話の滑稽さ珍妙さに文体が負けてしまう。新人賞応募作にして絶妙なバランスを保っているあたりが、評価を集めた理由の一つになっているのだろう。
合わせて読みたい本
夜は短し歩けよ乙女
鬼才モリミが放つ、キュートでポップな片想いストーリー。
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。そんな二人を、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々が待ち受けます。
もっと読む夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)のあらすじ(ネタバレなし)・考察・感想
有頂天家族
同じく京都を舞台にした森見作品。その中でも「五男」、「毛深い子」と呼ばれる作品。3部作となる予定の「たぬきシリーズ」の第1部です。
もっと読む有頂天家族(森見登美彦)のあらすじ(ネタバレなし)・解説・感想
太陽の塔(森見登美彦)の評判・口コミ・レビュー
太陽の塔/森見登美彦 #読了
— かよ (@miiniimuuum35) 2018年10月5日
私の”惚れる”という錯乱状態から「水尾さん研究」という名の恋愛は始まった。ああ、それも過去の話。
恋敵は明日の友となり共に彼女の夢を覗き、阿呆な友と夜な夜な妄想を疾走させ酒を飲む。「ええじゃないか」と叫ぶ声も白い息と消え、雪降る中涙は頬を流れる、男失恋物語 pic.twitter.com/fqtgWs6UOb
読了 『太陽の塔』 森見登美彦
— ざき (@zakiboch4869) 2017年8月6日
ほんの数人ばかりの男子大学生によって繰り広げられるあまりにも良き日常の数々。
終始ニヤけが止まらない行動とセリフが続いていき、気づけばもう終盤。あぁ切ない、おもしろい、えぇじゃないか!
あぁ…こんな大学生活もいいかもしれない笑 pic.twitter.com/6RIXpP6fBT
「太陽の塔」読了#読書
— なだ@ほぼ読書垢 (@marsaw_ocean) 2017年4月13日
在学デビューとなったファンタジー大賞作。
文豪文体の絶え間ない一人称。悪ノリで書いたらエライことになったんだろうか。
有川浩のキケンが女性目線の男子の可愛さだとすれば、男性目線の男子がまさにコレ。失恋を認めない彼の憎めない愛らしさに繰り返し会いたくなる pic.twitter.com/MIT8HaZV6r
森見登美彦『太陽の塔』読了。久々の再読。
— yuko@読書 (@book_yuko) 2018年11月1日
森見さんの描く男子大学生はどうしてこうも自意識過剰で、むず痒くて、個性的で、愛おしいのだろう。恋愛に溺れることを拒絶する一方で、それにひどく憧れていることを隠しきれてない彼ら。妄想と現実の狭間でうごうごしている彼らが個人的には大好きです。 pic.twitter.com/1B3T7RadEO
「太陽の塔」森見登美彦 #読了
— キキ (@kikinokikino) 2017年6月13日
元恋人の追っかけ?をしている主人公『私』の青春譚。
多分昔に読んだことある。
でもあんまり印象に残ってない。
なんでだろう?
今読むとこんなに面白いのに!
言い回しや表現に独特の世界があり、クスクス笑いながら読み終えました😄 pic.twitter.com/wRpLf27pnM