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Be your friend.私の言葉はどこまであなたの孤独にとどくのだろう。第6回「海燕」新人文学賞受賞作。
キッチン(吉本ばなな)の作品情報
- タイトル
- キッチン
- 著者
- 吉本ばなな
- 形式
- 小説
- ジャンル
- 家族
- 執筆国
- 日本
- 版元
- 福武書店
- 初出
- 海燕、1987年11月号
- 刊行情報
- 角川文庫
- 受賞歴
- キッチン、第6回海燕新人文学賞
ムーンライト・シャドウ、日本大学芸術学部長賞
第16回泉鏡花文学賞
キッチン(吉本ばなな)のあらすじ・概要(ネタバレなし)
私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う-祖母の死、突然の奇妙な同居、不自然であり、自然な日常を、まっすぐな感覚で受けとめ人が死ぬことそして生きることを、世界が不思議な調和にみちていることを、淋しさと優しさの交錯の中であなたに語りかけ、国境も時もこえて読みつがれるロング・ベストセラー、待望の定本決定版。”吉本ばなな”のすべてはここから始まった。
キッチン(吉本ばなな)の目次
- キッチン
- 満月 キッチン2
- ムーンライト・シャドウ
作者
吉本 ばなな よしもと・ばなな(1964年7月24日 – )
小説家。東京都文京区出身。日本大学芸術学部文芸学科卒業。同年、「キッチン」が第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。1989年に刊行された『TUGUMI』が年間ベストセラーの総合1位を記録した。
キッチン(吉本ばなな)の刊行情報
映画版関連動画
映画『キッチン』1989年10月29日
監督:森田芳光、出演:川原亜矢子
映画『kitchen キッチン』1997年
監督:イム・ホー、主演:富田靖子
映画『キッチン』を全編無料視聴できる配信一覧
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キッチン(吉本ばなな)の登場人物
桜井みかげ(私)
主人公で語り手。大学生だが休学中。両親、祖父母を失い、祖母の知人であった雄一の家に引き取られる。
田辺雄一
みかげと同じ大学の学生。みかげの祖母の行きつけの花屋でアルバイトしていた。
キッチン(吉本ばなな)の感想・解説・評価
家族を失った悲しみを描いた鮮烈なデビュー作
『キッチン』の主人公のみかげは最後の家族、祖母亡き後、台所で寝るようになります。これは彼女が台所が好きだということもあるのでしょう。なにより寝にくいところからだんだんと逃れていく内に、台所の冷蔵庫のわきが一番よく眠れることに気が付いたからなのです。
『流れ星が消えないうちに』の主人公、奈緒子は玄関でしか寝られなくなってしまいます。自室でも、妹の部屋でも寝られなくなり、しまいには玄関に蒲団を敷くのです。
奈緒子の場合は、成長していく中での苦しさと哀しさを表したものだと考えたわけですが、みかげはどうなのでしょうか。
奈緒子は玄関です。玄関は人が立ち止まらない場所。そこに立ち止まっている奈緒子は必然的な流れに逆らっているのです。しかしそこには止まりたくとも止まれないという思いもあるのでしょう。
とすれば、みかげはどうなのでしょうか。彼女は若くして両親を、次に祖父を、そして祖母を失います。
これは精神的にも相当厳しいでしょう。だから、最初の1ページにしてすでにみかげは、「いつか死ぬ時がきたら、台所で息絶えたい」などと考えてしまっているのです。
解説で曾根博義さんの言うとおり、『「台所」が、まず「食事をつくる場所」』なのです。そして、みかげは「台所の冷蔵庫のわき」が一番寝やすいことに気が付きます。
勿論、人間はものを食べないと生きてはいけません。台所は食事をつくる場所です。冷蔵庫は食品を貯めておく場所です。みかげは絶望の中、呆然とする中で、死を考えながらも、生きたいと強く熱望されていたのではないでしょうか。
雄一との交流で心の傷をいやすみかげ
その後、物語が進むにつれておおくの食べ物が出てきます。特に着目すべきは、みかげが雄一にカツ丼を届けるシーンでしょう。
ここで、雄一は
「どうして君とものを食うと、こんなにおいしいのかな。」
と、尋ねます。
みかげはふざけて答えますが、
雄一は自分で
「きっと、家族だからだよ。」
と答えます。
彼らにとって食べ物をおいしく感じるというのは、お互いに一緒に生きていきたい(そして一緒に食べていきたい)と感じているからなのでしょうか。
合わせて読みたい本
TUGUMI
病弱で生意気な美少女つぐみと海辺の故郷で過した最後の日々。二度とかえらない少女たちの輝かしい季節を描く切なく透明な物語。
病弱な少女つぐみが、夏に帰省してきた従姉妹のまりあと町で遭遇した日の出来事を描いたベストセラー。美しい儚げな雰囲気が心地よい傑作です。
>>TUGUMI(吉本ばなな)のあらすじ(ネタバレなし)・感想
流れ星が消えないうちに
高校時代から付き合っていた恋人・加地君が自分の知らない女の子と旅先の事故で死んでから、1年半。奈緒子は、ようやく「日常」を取り戻しつつあった。深い悲しみと静かな愛の物語。
>>流れ星が消えないうちに(橋本紡)のあらすじ(ネタバレなし)・感想。読書感想文にもおすすめ!
キッチン(吉本ばなな)の評判・口コミ・レビュー
吉本ばななさんの『キッチン』読了
— しなっちょ (@shinattyo) 2019年7月23日
私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う
桜井みかげは祖母の死、突然の奇妙な同居。淋しさと優しさが交錯する日常を通して、人が死ぬことそして生きることを受けとめていく…
誰かと別れる時は「笑顔」でいたい
いつか思い出す時があれば、笑顔の僕の姿を pic.twitter.com/tRPxSGHOke
吉本ばなな「キッチン」読了
— すずな︎︎︎︎ (@am_o3oo__) 2017年9月3日
天涯孤独になってしまった主人公みかげ。そんな中出会う新しい家族との時間は切なくて、でもどこまでもあたたかくて。月のない夜に灯すろうそくの光のような、静かな優しさが胸に染み入ります。どれだけ辛くても明日は続いていく。休みながらでもいい、ゆっくり歩こう。 pic.twitter.com/omhjjdXwpI
『キッチン/吉本ばなな』読了。
— まると@読書垢 (@sixyanimuni) 2017年10月13日
「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。」祖母の死をきっかけに天涯孤独の身となったみかげ。様々な出会いを通して心が再生していくまでを優しい文体で描いた名作。なんだろう…読んでいると頭を優しくポンポン撫でられているような温かい気持ちになる小説 pic.twitter.com/JFjENGCSuM
読了✨キッチン/吉本ばなな
— くう@読書垢 (@uver727choir) 2017年11月21日
身近な人の死…これは誰もがいつかは通らなければならない道ですね。死をテーマにした作品ですが重くなり過ぎずほんわか温かい話でした。『人生はいっぺん絶望しないと、本当に楽しいことがなにかわかんないうちに大っきくなっちゃうと思う』この言葉は印象的でした。 pic.twitter.com/I892aGjgmO
吉本ばなな「キッチン」読了。
— あっしー (@yuyuyuyu0805) 2019年5月28日
とても味わい深い小説でした。
文章がとても優しくて、読んでいて心地良かったです(´∀`)
この本は有名過ぎて、読むのをためらってましたが、読めて良かったです。
吉本ばななさんのファンになりました(^-^)#読了