ジョゼと虎と魚たち(田辺聖子)のあらすじ(ネタバレなし)・感想

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ジョゼと虎と魚たちの作品情報

タイトル
ジョゼと虎と魚たち
著者
田辺聖子
形式
小説
ジャンル
恋愛
執筆国
日本
版元
角川書店
初出
月刊カドカワ、1984年6月号
刊行情報
角川文庫

ジョゼと虎と魚たちのあらすじ(ネタバレなし)

足が悪いためにほとんど外出をしたことがないジョゼと、大学を出たばかりの共棲みの管理人・恒夫との恋愛を描くラブストーリー。

ジョゼと虎と魚たちの目次

  • お茶が熱くてのめません
  • うすうす知ってた
  • 恋の棺
  • それだけのこと
  • 荷造りはもうすませて
  • いけどられて
  • ジョゼと虎と魚たち
  • 男たちはマフィンが嫌い
  • 雪の降るまで

作者

田辺 聖子 たなべ・せいこ(1928年3月27日 – 2019年6月6日)

小説家、随筆家。大阪府大阪市生まれ。大阪樟蔭女子大学国文科卒。恋愛小説などを中心に活動し、1964年に『感傷旅行』で第50回芥川賞を受賞。2000年文化功労者、2008年には文化勲章を授与された。

ジョゼと虎と魚たちの刊行情報

映画版関連動画

映画『ジョゼと虎と魚たち』2003年12月13日
監督:犬童一心、出演:妻夫木聡、池脇千鶴、上野樹里、新井浩文、新屋英子

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ジョゼと虎と魚たちの登場人物

恒夫(つねお)
主人公。ある時ジョゼの手料理を食べたことがきっかけで、それ以降も家を訪れるジョゼと親しくなる。

ジョゼ(くみ子)
本作のヒロイン。足が不自由。趣味は読書と祖母との散歩。

ジョゼと虎と魚たちの感想・解説・評価

冷静な視点で書かれた恋愛小説

本作は表題作「ジョゼと虎と魚たち」を含む9作品を収めた短編集だ。一致しているのは恋愛小説であること、アラサーの年代の女性が登場することだ。

どの作品も「好き好き大好き超愛してる。」というわけではなく、どこか冷静な視点を保ったまま相手との距離を描いている。相手の男性との距離感は様々だが、どれも夢中になって追いかけるというほどの大恋愛ではない。その意味では、20代、30代の読者だけではなく、もう少しオトナな小説とも言えるかもしれない。

表題作『ジョゼと虎と魚たち』が、先天性の障碍のため車椅子で生活している20代半ばの女性と大学生の男の子の恋愛小説であるように、短編集に収められた作品はどれも一筋縄でいかないような恋愛の話だ。

しかし、だからと言って障碍や足の不自由さを前面に押し出しているわけではない。「障碍者と健常者の恋愛」ではなく、あくまで「ジョゼという不思議な魅力を持った女性の恋愛」なのである。

表題作『ジョゼと虎と魚たち』は映画化されたため、本短編集の中ではもっとも有名な作品だろう。だが、本文は25ページほどしかない。ぜひ、ジョゼという女性の魅力を自身の目で確かめてみてほしい。

合わせて読みたい本

孤独な夜のココア

同じく田辺聖子さんの作品集です。

ジョゼと虎と魚たち』と同じく、20代後半から30代前半くらいの女性たちの恋愛模様が描かれています。

誰もが一度は経験したような身近な恋愛が綴られていきます。男性との距離感が気持ちよくて、読み終わった後にほっこりとする小説です。

ジョゼと虎と魚たちの評判・口コミ・レビュー

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