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「【初心者にもおすすめ】死ぬまでに読みたい海外文学100選【小説メイン】その1」のラストとなります。まず最初の記事からご覧ください。
ルールとしては、「一人一作品」ということにしています。そうしないとドストエフスキー、カフカ、ガルシア=マルケスなど有名作家の作品が複数入ってしまうので。
記事では執筆された年代順に10冊ずつ紹介していきたいと思います。
死ぬまでに読みたい海外文学100選91~100冊
91:パトリック・モディアノ『1941年。パリの尋ね人』1997年
ナチ占領下の新聞の「尋ね人広告」。そのユダヤ人少女の足跡を、10年の歳月をかけて現代に追い求め、フランスを感動の渦に巻き込んだ傑作!
https://sakuhinsha.com/oversea/3070.html
小説を読んでいると、「世の中にはこんなにすごい書き手がいるのか…」と衝撃を受ける事があります。僕にとってそれはガルシア=マルケスであり、パトリック・モディアノでした。
「ナチス占領下のパリ」「ユダヤ人少女」。それらのキーワードを持つこの小説が明るいものであるはずはありません。
『1941年。パリの尋ね人』を読んでいると、モディアノの持つ熱量やエネルギーに圧倒されます。そのような読書体験はそうそうありません。
「1941年 パリの尋ね人」
— 酒呑童子@貴婦人志向の井戸端会議 (@won_era) October 13, 2021
パトリック=モディアノ著
ノーベル賞フランス作家
本書は小説ではなく”広告の記録”というべきだろう
戦争は”尋ね人”を生む
著者同様ユダヤ系少女の”尋ね人広告”記事からナチ党支配期フランスを暴き出す
“名を忘れた人々に逢いに逝く”
10年の取材で語り手たる使命を全うしたNF pic.twitter.com/CrjLYKLaPP
1941年。パリの尋ね人/P.モディアノ
— すわん (@mk_montblanc) July 13, 2021
ナチス占領下、失踪したユダヤ人少女ドラ。モディアノは記録の断片を頼りに、当時のドラの足跡を辿る。
残された多くの謎は、誰にも奪えなかったドラだけの秘密。モディアノは空白を慈しみ、想いを馳せる。時に自身の過去を投影し、2人はパリの街で交錯する。 pic.twitter.com/CIbtPeykBn
「1941年。パリの尋ね人」:パトリック・モディアノ
— Habi Hirato (@arthur_radical) July 18, 2018
1941年ナチス占領下のパリ、ドラというユダヤ人少女が行方不明者として尋ね人広告に載った。
そして1988年、偶然当時の広告を見つけた著者が10年をかけて少女の足取りを探し、そして彼が見つけたものは。 pic.twitter.com/oJ6lFARwhZ
92:ミシェル・ウエルベック『素粒子』1998年
人類の孤独の極北に揺曳する絶望的な“愛”を描いて重層的なスケールで圧倒的な感銘をよぶ、衝撃の作家ウエルベックの最高傑作。文学青年くずれの国語教師ブリュノ、ノーベル賞クラスの分子生物学者ミシェル―捨てられた異父兄弟の二つの人生をたどり、希薄で怠惰な現代世界の一面を透明なタッチで描き上げる。充溢する官能、悲哀と絶望の果てのペーソスが胸を刺す近年最大の話題作。
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480421777/
この小説をどう紹介すればいいのか、ちょっとわからないんです。一つ言えるのは、人生に悲観し、打ちひしがれるようにして生きている人にこそ読んで欲しいということ。
序盤で合わないなと思っても、最後まで諦めずに読んでみてください。
ミシェル・ウエルベック『素粒子』(ちくま文庫)野崎歓訳
— 筑摩書房 (@chikumashobo) August 20, 2018
人類の孤独の極北にゆらめく絶望的な愛―二人の異父兄弟の人生を辿り希薄で怠惰な現代の一面を重層的なスケールで描き上げた、鬼才ウエルベックの最高傑作。フランス文壇を揺るがす事件といわれた問題作。2006年1月刊#ちくま1000「本」ノック258 pic.twitter.com/1lV2SoVDTq
ミシェル・ウエルベック『素粒子』を読了。今まで読まずにいた人生そのものが無駄に思えるほど、個人的にはツボ。セリーヌに連なる「敗残の文学」の現代版かと。あぁ、早く寝ないとなぁ。 http://bit.ly/cN97F4
— Keiichi Motoyama (@noiseless) April 6, 2010
今年はフランスが有力視されてるとの情報もあり、賭け屋のリストに名を連ねるウエルベックの著作から『素粒子』を読んでみました。人生の不条理を下敷きにしながら、描かれているのはとんでもない虚構でした。このハッタリ感がたまりません!#ウエルベック#素粒子#ノーベル文学賞を見守る会 pic.twitter.com/jQ1dh220aN
— 東京小説読書会@第166回芥川賞・直木賞候補作読み比べ (@honnokai) October 3, 2021
93:イアン・マキューアン『アムステルダム』1998年
ロンドン社交界の花形モリーが亡くなった。痴呆状態で迎えた哀れな最期だった。夫のいる身で奔放な性生活をおくった彼女の葬儀には、元恋人たちも参列。なかには英国を代表する作曲家、大新聞社の編集長、外務大臣の顔も。やがてこの三人は、モリーが遺したスキャンダラスな写真のために過酷な運命に巻き込まれてゆく。辛辣な知性で現代のモラルを痛打して喝采を浴びたブッカー賞受賞作!
読んでいておもしろいんですが、精神的に疲れました。というのも登場人物が合わないというか、絶対友達にならないようなキツいタイプ。
現代って、人間関係って、友情って、人生って…とか難しいことを考えずにさらっと読んだ方が楽しめるのかな。
イアン・マキューアン『アムステルダム』#読了
&mdas(@Noveroman_71710) October 20, 2019
作曲家と編集長の主人公2人…元恋人モリーを介した親交は強く、互いの命を託す程…だった。
モリーの葬式を機に、安楽死が合法のアムステルダムは、2人の友情を憎み合いに変容させ…
著者の細かな技巧が窺えるブッカー賞受賞作 pic.twitter.com/s2UpUSu6mQ
『アムステルダム』イアン・マキューアン
— 淀川コーエン (@notmanzara2) May 19, 2021
亡き女性の2人の元恋人が破滅していく顛末を描く。
サスペンス的な面白さに惹かれて読み進めるうちに、コントロールしきれない自己愛の怖さと醜さを思い知らされる。#読書好きと繋がりたい #寝読部#新潮クレストブックス pic.twitter.com/EFgY6ooV2x
イアン・マキューアン『アムステルダム』
&(@chiii3___) January 23, 2021
クライヴとヴァーノンがお互いへの憎悪を募らせていく様子が一周回って滑稽に感じられたり。ラストの背筋が寒くなるような後味の悪さがすごい。マキューアン、ちょっと気になってきた。次は積読してる『贖罪』を読んでみようかな… #読了 pic.twitter.com/oJD7HEgTLO
94:オルハン・パムク『わたしの名は赤』1998年
1591年冬。オスマン帝国の首都イスタンブルで、細密画師が殺された。その死をもたらしたのは、皇帝の命により秘密裡に製作されている装飾写本なのか……? 同じころ、カラは12年ぶりにイスタンブルへ帰ってきた。彼は件の装飾写本の作業を監督する叔父の手助けをするうちに、寡婦である美貌の従妹シェキュレへの恋心を募らせていく――
オルハン・パムク『わたしの名は赤』はもうとにかくおもしろいんですよ。とにかく読んでみてほしい。
様々な語り手が入れ替わり、一人称で物語を進めていきます。世界史、美術好きならたまらない仕掛けも。語り手が交代しても難しいことはなく、ただただおもしろくなっていく。そんな語り手ありなんだなと驚きもしました。
そして2006年にトルコ初のノーベル文学賞を受賞したのはオルハン・パムク。超絶的に面白い『わたしの名は赤』で描かれる東西文明のせめぎあいには息をのむばかり。『無垢の博物館』とあわせてどうぞ。『雪〔新訳版〕』も刊行準備中です。(薄) http://t.co/xiuc26PZ
— 早川書房公式 (@Hayakawashobo) October 11, 2012
同じくオルハン・パムクの小説「わたしの名は赤」。十六世紀のイスタンブールを舞台とした傑作ミステリー。細密画がテーマの一つですが、小説自体が細密画そのもののように緻密で美しく鮮やか。「千一夜物語」と同じく枠物語の手法が使われていたり、語り手自体も次々と代わっていって非常に独創的💋 pic.twitter.com/vIe1tdbpGG
— 今昔@読書垢 (@imamukashi672) August 3, 2017
オルハン・パムク『わたしの名は赤』読了。世紀の大傑作。現代に紡がれた物語のなかで五本の指に入る名著。死ぬ前に読め。
— はつに (@hn314) August 1, 2017
舞台は十六世紀のイスタンブール。精密画師が殺害され犯人を探すという話と、絶世の美女である未亡人を愛した男の話が同時進行で展開していくんですが、 pic.twitter.com/AOes7i1dMj
95:デイヴィッド・ミッチェル『ナンバー9ドリーム』2001年
詠爾は島を出た。東京の混沌に、まだ見ぬ父を探すため。新宿の高層ビル群に惑い、たぐり寄せては切れる細い糸に絶望し、ふとした出会いに心ときめかせる―。饒舌にして錯綜した彼の語りの果てに明かされるのは双子の姉の死、心を病む母の存在。果たして詠爾は、父と巡りあえるのか?イギリス若手作家ベスト20選出、ブッカー賞連続最終候補の気鋭が放つ、疾走と裏切り、思慕と夢幻の物語。哀切なるこの世界に捧げる鎮魂の歌。
https://www.shinchosha.co.jp/
この本を選んだのは完全に好みです。
東京を舞台に様々なエピソードが休むことなく挿入され、物語の奔流に押し流されます。疾走感のある文体も良い。
ただブッカー賞最終候補止まりだったように粗さもある。ラストも意見の分かれるところでしょう。でも村上春樹のファンとしては読んでいて嬉しかったですよ。
デイヴィッド・ミッチェル「ナンバー9ドリーム」読了。日本が舞台の色々ブッ飛んだ外国小説。会話文のセンスは全く日本人らしくないが、そこらの日本人よりよっぽどよく日本を見てるなと思う描写力。面白かったが、ある意味夢オチのような(違うけど)破格のラストは賛否両論出そう。
— oz / deadcalm (@deadcalm) January 1, 2011
@red_bot 久しぶりにいい長編小説を読んだ。D.ミッチェル「ナンバー9ドリーム」。父親探しという古典的な下敷きに、ハードボイルド、SF、恋愛など多様なエピソードと物語が交錯する。ちなみに舞台は東京。「村上春樹とジョン・レノンへのオマージュ」の帯文句はダテじゃない。今 …
— 情報統合思念体yuki (@yuki___) October 13, 2009
『多崎つくる』にもし村上春樹という名前がついていなかったら、途中まで読んだまま放り出していたかもしれない。それよりみんなにデイヴィッド・ミッチェルの『ナンバー9ドリーム』を読んでほしい。本家を超える村上春樹の後継者は日本の外にもちゃんといるんだよ。
— 楊 駿驍 (@yaoshunshyo) April 13, 2013
96:莫言『白檀の刑』2001年
膠州湾一帯を租借したドイツ人に妻子と隣人の命を奪われた孫丙は、復讐として鉄道敷設現場を襲撃する。哀切な猫腔の調べにのせて花開く壮大な歴史絵巻。
https://www.chuko.co.jp/bunko/2010/09/205366.html
読む前に「処刑の話」とだけ聞いていたので不安でした。グロいのは嫌じゃないですか。具体的な手段が書いてあったりしたら、想像してしまいますし。
でも読んでみると「血に塗れた物語」という印象は全く受けない。「処刑」の話を読んでいるのには違いないですが、「芸術」の小説を読んだような読後感なんです。骨太の作品だけに、芯のある文学作品を味わいたいという方向けです。
莫言の『白檀の刑』を読んでいます。中公文庫上下2冊。いやーめちゃくちゃ面白いんですよね笑 タイトルだけ見ると暗い厳かな話っぽいんですが、まあ爆裂ハイテンションでエログロを突き抜けていくような文章。台詞であまり改行しないので、すごく長く濃密に感じます。 pic.twitter.com/Svxp3Bx1Np
— misty (@misty882311) December 18, 2019
#読書好きと繋がりたい
— なまむぎなまこ (@namamuginani) October 25, 2019
莫言『白檀の刑』
当時の中国文化の、その美化されない血生臭さの描写が読む人を選ぶかも。構成もキャラクタもラストもことごとく予想外を行く。刑の執行がメインの話なのに鬱々としていなくて、むしろどこかカラッとした不思議な陽気さがある。登場人物の肉付けがとても良い。 pic.twitter.com/6EuJuK9CKZ
莫言『白檀の刑』めちゃくちゃ面白かったな。処刑が芸術になっていて凌遅刑のシーンは凄くかっこよかった。ロマンスパートも綺麗だった。処刑がメインになっているけど凄惨というほどでもなく、コミカルに砕けた文章で読みやすい。ラストは謎のスッキリ感がある。次は『蛙鳴』を読みたい。
— けろけろ (@kerokerodiary) June 29, 2020
97:ラッタウット・ラープチャルーンサップ『観光』2005年
美しい海辺のリゾートへ旅行に出かけた失明間近の母とその息子。遠方の大学への入学を控えた息子の心には、さまざまな思いが去来する――なにげない心の交流が胸を打つ表題作をはじめ、11歳の少年がいかがわしい酒場で大人の世界を垣間見る「カフェ・ラブリーで」、闘鶏に負けつづける父を見つめる娘を描く「闘鶏師」など全7篇を収録。人生の切ない断片を温かいまなざしでつづる、タイ系アメリカ人作家による傑作短篇集。
ラープチャルーンサップ『観光』を読んでいると、才能という言葉が頭に浮かびます。才能がある人が書いた小説という感じがします。
風景や街中、自然の描写の素晴らしさ。そして社会にはびこる閉塞感のような息苦しさ。そしてその中に生きている人たちの諦観。
ラッタウット•ラープチャルーンサップ『観光』、読んでます。残りは「戦鶏師」のみ。タイを舞台にした素晴らしい短篇集。どれも、ひとことでは表せない情感に満ちていて圧倒されます。読み終わるのが惜しいなー。 #gaibun
— tenboudai (@tenboudai) December 17, 2010
ラープチャルーンサップ『観光』読了。
— mariririn (@mariririn6) December 16, 2019
アジア系アメリカ人の作品はかくも面白いか。湿った暑い気候に排気ガスやガソリンの、発展途上にある国独特の空気感。〈こへの観光客はセックスと像が目当て〉と言い切る筆者の冷静さ。
<闘鶏師>には心臓鷲掴み。グロいの苦手なはずなのに頁が止まらない。 pic.twitter.com/whoRB2Vq5K
ラープチャルーンサップ「観光」読了。タイを舞台にした短編集。湿りけに満ちてむせるような空気、舗装されていない埃舞う道路、酒場で屯する男労働者、微笑みが消えた少年・・情景が立体的な感覚を伴って浮かび上がってくる。森山大道の写真集のような手触り。評判通り、傑作。
— Marser (@marseronweb) November 3, 2012
98:リチャード・フラナガン『奥のほそ道』2013年
1943年、タスマニア出身のドリゴは、オーストラリア軍の軍医として太平洋戦争に従軍するが、日本軍の捕虜となり、タイとビルマを結ぶ「泰緬鉄道」(「死の鉄路」)建設の過酷な重労働につく。そこへ一通の手紙が届き、すべてが変わってしまう……。
本書は、ドリゴの戦前・戦中・戦後の生涯を中心に、俳句を吟じ斬首する日本人将校たち、泥の海を這う骨と皮ばかりのオーストラリア人捕虜たち、戦争で人生の歯車を狂わされた者たち……かれらの生き様を鮮烈に描き、2014年度ブッカー賞を受賞した長篇だ。
作家は、「泰緬鉄道」から生還した父親の捕虜経験を題材にして、12年の歳月をかけて書き上げたという。東西の詩人の言葉を刻みながら、人間性の複雑さ、戦争や世界の多層性を織り上げていく。時と場所を交差させ、登場人物の心情を丹念にたどり、読者の胸に強く迫ってくる。
「戦争小説の最高傑作。コーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』以来、こんなに心揺さぶられた作品はない」(『ワシントン・ポスト』)と、世界の主要メディアも「傑作のなかの傑作」と激賞している。
読み終わってしばらくぼうっとしていました。呆然としたという方がいいかも。
いい小説を読むと、しばらく頭の中がその小説の事で一杯になります。頭がきちんと情報を整理してくれなくてショートしてしまったのでしょう。
しばらくぼんやりとして、次の日も、その次の日も、どことなく空しさを覚えながらこの小説のことを考えていました。
「奥のほそ道」
— 酒呑童子@貴婦人志向の井戸端会議 (@won_era) June 26, 2021
リチャード=フラナガン著
オーストラリア(タスマニア)作家
ブッカー賞受賞作
泰緬鉄道開通計画
被爆国を宣う前に侵略国の日本
日本兵捕虜の強制労働を帰還した名誉軍医が回顧
血肉塗れし線路の彼方は芭蕉吟ずる自由への”奥のほそ道”
終戦後も倫理道徳感が崩壊し日常が非日常となる恐怖 pic.twitter.com/GswJIm51M7
リチャード・フラナガン『奥のほそ道』
— n (@_nqy) May 31, 2019
「なぜ、事の初めにはいつも光があるのだろう」という美しい書き出しで始まり、人を愛することが、人生が、いかに苦痛に満ちた地獄であるかということが、酸鼻を極める描写とともに語られる。凄じい小説だった。 pic.twitter.com/5pSdFp6r6S
リチャード・フラナガン『奥のほそ道』読了。タイトルは芭蕉からだが、泰緬鉄道で日本軍に酷使されたオーストラリア人捕虜の話。断罪したり説教するような態度はなく、淡々と地獄を描く。人々はそれぞれの立場、それぞれの運命を、ただ静かに受け入れて、死んでいく。側から見れば俳句のような人生を。 pic.twitter.com/ko86ftIK7P
— nakayanburger (@nakayayayan) October 5, 2019
99:アンソニー・ドーア『すべての見えない光』2014年
ラジオから聞こえる懐かしい声が、若いドイツ兵と盲目の少女の心をつなぐ。ピュリツァー賞受賞作。孤児院で幼い日を過ごし、ナチスドイツの技術兵となった少年。パリの博物館に勤める父のもとで育った、目の見えない少女。戦時下のフランス、サン・マロでの、二人の短い邂逅。そして彼らの運命を動かす伝説のダイヤモンド――。時代に翻弄される人々の苦闘を、彼らを包む自然の荘厳さとともに、温かな筆致で繊細に描く感動巨篇。
とにかく描写が美しい。浜辺から、ラジオ、缶詰、そして軍隊に至るまで。
巧みな構成に胸を動かされ、感動して読み終わると、すぐに誰かにこの小説の良さを伝えたくなるのです。
孤児院で育ち、独学で電気工学を学んだ小柄な少年が、父親が戦死したことを名誉だと喜ぶ級友たちと共に「笑いながら死ね」と教育を受け、ナチスドイツの軍人になり、ドイツ軍に包囲された街で一人なんとか生き延びようとする盲目のフランス人少女と出会う。アンソニー・ドーア『すべての見えない光』 pic.twitter.com/T2tlVVtcVL
— 峰なゆか (@minenayuka) July 23, 2019
アンソニー・ドーア『すべての見えない光』(All the Light We Cannot See、仮題)、翻訳を今日脱稿しました。まだまだ山あり谷ありの原稿ですが…。とりあえず、8月ごろに刊行する予定で進んでいます。ドーアは短編の名手ですが、この長編はほんとうに感動的です。
— 藤井光/Hikaru Fujii (@fujiihikaru) June 2, 2016
そして今年最も感動した一冊、ってことになりそうなのがアンソニー・ドーア「すべての見えない光」。この上なくもろく、この上なく美しくて、この上なく壮大な物語。 pic.twitter.com/YFCB6klAB3
— 門間雄介 (@yusukemonma) November 18, 2016
100:アントワーヌ・ローラン『赤いモレスキンの女』2014年
男はバッグの落とし主に恋をした。手がかりは赤い手帳とモディアノのサイン本。パリの書店主ローランが道端で女物のバッグを拾った。中身はパトリック・モディアノのサイン本と香水瓶、クリーニング屋の伝票と、文章が綴られた赤い手帳。バツイチ男のローランは女が書き綴った魅惑的な世界に魅せられ、わずかな手がかりを頼りに落とし主を探し始める。英王室カミラ夫人も絶賛、洒脱な大人のおとぎ話第二弾。
100冊目です。正直長かった。
最後にアントワーヌ・ローランの『赤いモレスキンの女』を紹介することができてホッとしています。ロマンチックで素敵な小説、みんな好きでしょう?
新潮クレスト・ブックス今年最後の新刊は、アントワーヌ・ローランの『赤いモレスキンの女』。12月19日発売です。『ミッテランの帽子』で世界的ヒットとなった作家の、落とし物のバッグをめぐる大人のおとぎ話第2弾。ギスギスした世相をつかのま忘れて、没頭できるいいお話です。ぜひ! pic.twitter.com/3GFrWXjtQ5
— 新潮クレスト・ブックス+海外文学編集部 (@crestbooks) December 14, 2020
「赤いモレスキンの女」アントワーヌ・ローラン
— ゆう|365日読書 (@yu_reading) August 4, 2021
「私たちの人生はほんのささいなことに左右されます。」
パリの書店主、赤いモレスキンの手帳、モディアノのサイン本。心を掴まれました。知的で大人の魅力に満ちた恋物語。ロマンスの名作映画を見終わった後のような余韻に浸っています。 pic.twitter.com/xfyoHogqoZ
『赤いモレスキンの女』アントワーヌ・ローラン 吉田洋之(訳)
— manami (@manami97548144) February 4, 2021
拾ったハンドバッグが男女の出会いを呼ぶ、まさに大人のためのおとぎ話。「流石フランス、おっしゃれぇ!」ていう筋でした笑。
海外の文学、とりわけモディアノが好きな人は倍で楽しいと思います。私も久々に読み返そうかな。 pic.twitter.com/ivtZ44JT3Y