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老若男女、国籍を問わず繰り返される人のいとなみ。家族、恋愛、友情、勉強、仕事。なにげない日常のなかの人間関係を、ナスのある風景を交えて描いたヒューマンドラマ。
茄子(黒田硫黄)の作品情報
- タイトル
- 茄子
- 著者
- 黒田硫黄
- 形式
- 漫画
- ジャンル
- オムニバス短編集
- 執筆国
- 日本
- 版元
- 講談社
- 初出
- 月刊アフタヌーン、2000年11月号~2002年10月号
- 刊行情報
- アフタヌーンKC、全3巻
新装版、全2巻
茄子(黒田硫黄)のあらすじ(ネタバレなし)
アニメ版関連動画
アニメ映画『茄子 アンダルシアの夏』2003年7月26日
OVA『茄子 スーツケースの渡り鳥』2007年10月24日
作者
黒田硫黄(1971年1月5日 – )
漫画家。北海道札幌市出身(ただし幼少期に引越しを繰り返したため、「東日本出身」と表現することも)。一橋大学法学部・社会学部卒業。1993年『月刊アフタヌーン』にてデビュー。『月刊アフタヌーン』『月刊IKKI』『COMIC CUE』などに筆による作品を発表している。2002年、『セクシーボイスアンドロボ』により第6回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞文部科学大臣賞を受賞。
もっと読む【おすすめ】黒田硫黄の全作品を一覧であらすじを紹介します
茄子(黒田硫黄)の刊行情報
茄子(黒田硫黄)の登場人物
高間先生
田舎に隠遁し茄子の栽培など農家を営む一人暮らしの中年男性。読書家であり、英語の原書を読むなどインテリ。
大西
若い頃から高間と付き合いのある女性。睡眠障害のため一日3時間ほどしか眠ることができない。ただ高間の家では「よく眠れる」とのこと。
高橋綾
女子高生。父親の経営する会社が倒産し逃げてしまったため、借金取りに追われる。
桑原
高橋の同級生。中学生の時に出会った高橋のことが忘れられない。
国重
高校卒業後、進学も就職もせず過ごしている女性。再会した有野と「キャッチボール友」になる。
有野
国重の同級生。
ペペ・ベネンヘリ
スペインの自転車レーサー。
茄子(黒田硫黄)の感想・評価
#黒田硫黄「#茄子」#読了
— 右手@文学&副業ブロガー (@migite1924) 2019年8月29日
茄子をテーマに、緩やかに生きている人たちを描いたオムニバス短編集。アニメ化された「アンダルシアの夏」の原作。
とにかく作品の雰囲気が素晴らしいですね。キャラクターたちが生きているというか。
新装版の最後の一コマの破壊力が強烈で👏#漫画https://t.co/cvxx6GTY3P pic.twitter.com/WLul8qPbfi
ゆったりとしたライフスタイルを描いた短編集
本作に収録された短編の中でもっとも有名なのはアニメ化されたになった「アンダルシアの夏(『茄子 アンダルシアの夏』)」だろう。黒田硫黄のファンでなければ、アニメから原作を…というのが入り口として多そうだ。
本作は「茄子」をキーワードとした作品集だ。高間先生の周辺の人たちが柱となるが、ほかにも国重と有野、前述の「アンダルシアの夏」のストーリーが描かれる。
「茄子」がキーワードと聞いても意味が分からないだろうが、登場人物に共通しているのは、ほとんどの人物がそんなに必死こいてまで働きたいとは思っていないということだ。
「3人」に出てきた少年少女は流されて高間先生の家までやって来るし、国重は高校卒業後もブラブラしているし、有野は若隠居したいと言って仕事を辞めてしまう。大西はバリバリのキャリアウーマンだが、それゆえ不眠症に悩まされ、好意的に感じている高間先生の元にまでわざわざ来て寝入ってしまう。
作品全体に流れる穏やかな空気感とキャラクター造形から作者のメッセージが透けて見える気がする。
もちろん前向きに動いていくことを否定しているわけではない
しかし、そんな登場人物たちのなかでも高橋綾だけは一人異なる姿を見せる。
親の会社が倒産し逃げてしまったせいで、高橋は親戚の家へとやって来る。親戚の家にお世話になっている申し訳なさもあるだろうし、弟と妹を養わなければいけないという気持ちから、働くことに積極的だ。
髙橋はどんどん積極的に人に絡んでいくし、自分で仕事もとってくる。そして高間先生を巻き込みつつ、その仕事をちゃんとやり遂げる。
この高橋の姿によって本作は「ただ働きたくなく緩やかに生きている人達を描いた作品集」から一皮むけた短編集になっている。作者のメッセージもより穏やかで懐の深いものになっている。様々な人がいていいのだ。
新装版には「As time goes by」が収録。ラストで高校三年生の桑原は、中学二年生の時に二回だけ会った高橋のことを思い返す。10代の4年間は相当大きいが、高橋のことを思い出すのは、そのほかに「なにもなかったから」に違いない。
この読後感は強烈で、作風によっては読者に大きな毒を残すが、本作では苦みと共に青春の切なさや甘さも感じられる。まさに「茄子」と言えばそうだが、これが作者・黒田硫黄の腕によるところだろう。
合わせて読みたい本
春と盆暗
アンダーカレント
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茄子(黒田硫黄)の評判・口コミ・レビュー
18.茄子(黒田硫黄)
— ぽとふ@固ツイ、ただ今新曲です (@potofupotofu001) 2019年10月6日
茄子をテーマにしたオムニバス的な作品。それだけでユニークなんだが、本作中の「アンダルシアの夏」という、映画にもなった自転車ロードレースの話が最高。前後編合わせて、たったの数十ページで、自転車ロードレースのほぼ全てを描ききってる。いや、すごいよほんと。
4)黒田硫黄「茄子」
— むじか 中村あい (@musicarina) 2019年6月11日
黒田硫黄もどれも好きなんだけど、最初にハマった茄子を。短編集。不思議感と妙なリアリティの共存が凄いと思う。アンダルシアの夏はアニメ映画化したけど未見…。
茄子 黒田硫黄
— 奥香織 1/19関西コミティア【O-40】 (@okukaori1124) 2019年6月7日
全部好き。
夫に 焼き茄子にビール の妻(恭子)と同じ行動パターンだと言われてから他人とは思えない…恭子…。
国重さんと有野くんも好き。
私もいつか肉屋のソーセージ弁当こさえて河原でキャッチボールして若隠居になりたい。
茄子/黒田硫黄
— 飛騨なっとく豚(公式) (@hidanattokuton) 2019年6月3日
茄子をテーマにした連作短編。どっかに絶対茄子が出てきます。有名なのはアンダルシアの夏。個人的に好きな台詞は「39人」の「初めての土地でコンビニ弁当じゃ士気にかかわる」と「撮影部と録音部が手違いで早くきてね。そこをスネさせずにうまくもっていくのが制作ですわ」