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「精神科医・伊良部シリーズ」の3作目。
町長選挙(奥田英朗)の作品情報
- タイトル
- 町長選挙
- 著者
- 奥田英朗
- 形式
- 小説
- ジャンル
- エンターテイメント
- 執筆国
- 日本
- 版元
- 文藝春秋
- 初出
- 下記
- 刊行情報
- 文春文庫
町長選挙(奥田英朗)のあらすじ・概要
町長選挙(奥田英朗)の目次
作者
奥田 英朗(1959年10月23日 – )
小説家。岐阜県岐阜市出身。プランナー、コピーライター、構成作家など様々な職業を経た後、出版社に持ち込んだ『ウランバーナの森』でデビュー。2004年に『空中ブランコ』で第131回直木賞を受賞した。主な作品に『最悪』、『邪魔』、『イン・ザ・プール』、『オリンピックの身代金』などがある。
町長選挙(奥田英朗)の刊行情報
アニメ版
テレビアニメ『空中ブランコ』2009年10月15日~
第10話「オーナー」
町長選挙(奥田英朗)の登場人物
伊良部 一郎(いらぶ いちろう)
伊良部総合病院の神経科医師。37歳。肥満体形であり、子どもっぽい性格。
マユミ
伊良部の助手の看護師。ミニの白衣を身にまとったスタイルの良い若い女。伊良部のことなら大抵知り尽くしている。
田辺 満雄(たなべ みつお)
「オーナー」主人公。78歳。「大日本新聞」の代表取締役会長で、プロ野球球団「東京グレート・パワーズ」のオーナー。死への不安を抱いており、棺桶を連想させる暗闇と狭い場所が怖く不眠症に悩まされている。
安保 貴明(あんぽ たかあき)
「アンポンマン」主人公。東大在学中に、インターネットのホームページ作成サービスの会社「ライブファスト社」を立ち上げ、瞬く間に急成長し、IT長者に成り上がった。文字を書く習慣がなく、平仮名の形を思い出すことができない。
白木 カオル(しらき カオル)
「カリスマ稼業」主人公。女優。44歳。若さと美貌をいつまで維持できるかを過度に気にしており、食事を中心に節制した生活を送っている。
宮崎 良平(みやざき りょうへい)
「町長選挙」主人公。東京都庁職員。9カ月前に、離島研修のため伊豆半島沖合の島・千寿島に出向してきた。町長選挙の勃発により島は二つの派閥に分かれており、その争いに巻き込まれ食欲不振と胃痛に悩まされる。
町長選挙(奥田英朗)の感想・解説・評価
おもしろいが不満も残るシリーズ第3作
本作は一風変わった精神科医・伊良部一郎を主人公に据えたシリーズの3作目です。精神科医が主人公なだけに、登場人物たちは体になんらかの異常をきたしています。暗所、閉所恐怖症の球団オーナー、平仮名が書けなくなるIT企業社長、すぐに運動をしたがる女優。
伊良部は不摂生のあまり太っており、マザコン、性格も幼稚園児のように幼いとダメダメな人物です。医療ドラマの主人公は「権威を嫌う凄腕のイケメン(美人)医者」「真面目に患者さんに向き合う健気な新人」など魅力的&好意的な人物であることが多いですが、伊良部は全く異なった人物です。
でも、だからといって読んでいて嫌悪感を抱くかというとそうではないところがこのシリーズの良いところですね。第1作『イン・ザ・プール』は、読者を笑わせながら社会に警鐘を鳴らしている作品でもありましたし、単なる娯楽作品ではなくメッセージも込められています。
ただ、シリーズ3作目となる本作ではこれまでの作品から少し変更が行われました。まず、気になったのは実在の人物をモデルになっている患者たちが、次々と出てくることです。
おもしろいものの、患者のイメージが固定されてしまった感じがしました。これまで不思議な存在だった看護士のマユミが、趣味があり、お金にうるさいなど、一気に身近な存在として描かれたことも気になりました。
言うなれば、第2作、第3作と進むにつれて笑いに重きを置く作品になっていっていることは残念でもあります。伊良部医師の子どもっぽさにも磨きがかかっており、無知さ、馬鹿さで笑いを誘っていることが見えてくるようになってしまっていると思います。
合わせて読みたい本
イン・ザ・プール
『精神科医 伊良部シリーズ』の第1作で、第127回直木賞候補になりました。
同じく、伊良部総合病院の地下にある神経科を訪れる人々を描いた作品ですが、高校生や会社員など、より身近なキャラクターたちが登場します。
空中ブランコ
シリーズ2作目の『空中ブランコ』は直木賞受賞作となりました。
尖端恐怖症のヤクザ、義父のカツラを剥ぎ取りたい大学講師、イップスに悩むプロ野球選手、小説家が彼の元へとやってきます。
もっと読む空中ブランコ(奥田英朗)のあらすじ(ネタバレなし)・解説・感想
町長選挙(奥田英朗)の評判・口コミ・レビュー
奥田英朗
— カリフラワー (@xvdKIviWVZM9ZwK) 2020年2月16日
町長選挙#読了
伊良部一郎シリーズ3弾!
読みながら一番爆笑した小説です
でも最後は少しうるっと来るから不思議です。
個人的な傑作選に間違いなく入ります😁 伊良部一郎、マユミちゃん、サイコー♥ pic.twitter.com/z1hLOo1avf
『町長選挙』 #読了
— とかげ@ほぼ読書垢 (@LuckShark) 2019年11月15日
伊良部一郎シリーズ第2弾。
やっぱり面白い。
ラスト近くまでのイライラ感は増しているけど、ラストで登場人物みんな好きになっちゃう感じも増し増し。#読書好きと繋がりたい pic.twitter.com/CIvKlfLcP0
奥田英朗 著「町長選挙」読了
— ray (@ray373721) 2018年11月24日
「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」に比べると奇抜な病状はないけれど、伊良部先生の魅力はキレッキレだ。四話中、三話は実在の人物が直ぐに思いつくからリアルで面白い。
タイトルになっている「町長選挙」は人間が創り出す文明について、なるほどなーと考えた。
【町長選挙】奥田英朗 読了
— トト@読書垢 (@book_totototo) 2018年1月4日
大企業トップ、ベンチャー企業社長、美魔女女優、町長多くの人が伊良部に助けを求めて…
新年最初は伊良部から!
相変わらずの面白さ。表題作の町長選挙が特に🤣
あの伊良部が他人に巻き込まれるなんてまさかでびっくり😲#読書好きと繋がりたい pic.twitter.com/Zr75FyOq2S
奥田英朗『町長選挙』読了。精神科医の伊良部シリーズ第3弾。これまでと異なり実在モデルを使用。さもありなんと舞台裏に興味は湧くが伊良部場面が物足りない感じf(^_^) pic.twitter.com/ns1T92u681
— hidemi003 (@hidemi003) 2015年11月29日
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