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小説推理新人賞受賞作「眠りの海」ほか「祈灯」「蝉の証」など、4作品を収録した処女短編集。
MISSING(本多孝好)の作品情報
- タイトル
- MISSING
- 著者
- 本多孝好
- 形式
- 小説
- ジャンル
- ミステリー
- 執筆国
- 日本
- 版元
- KADOKAWA
- 初出
- 下記
- 刊行情報
- 角川文庫
- 受賞歴
- 第16回小説推理新人賞受賞(眠りの海)
「このミステリーがすごい!2000年版」第10位
MISSING(本多孝好)のあらすじ・概要
MISSING(本多孝好)の目次
- 眠りの海(『小説推理』1994年8月号)
- 祈灯(『小説推理』1995年4月号)
- 蝉の証(『小説推理』1996年1月号)
- 瑠璃(『小説推理』1997年9月号)
- 彼の棲む場所(『小説推理』1998年4月号)
作者
本多 孝好 ほんだ・たかよし(1971年 – )
小説家。東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒。大学4年生の時、同じ学部の金城一紀に小説の執筆を依頼され、作家を志すようになった。1994年に「眠りの海」で第16回小説推理新人賞を受賞しデビュー。デビュー作を含む短編集『MISSING』が発売されると、このミステリーがすごい! 2000年版でトップ10に入るなど注目を集める。
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MISSING(本多孝好)の刊行情報
MISSING(本多孝好)の感想・解説・評価
死というテーマを扱った短篇集
本作に収められている小説はなんとも親近感あふれる作品ばかりだ。だがテーマはとても重い。生徒と教師の恋、無理心中、自殺、死んだ妹になってしまった姉、孫に金を奪われる祖母、結婚詐欺、不倫、同級生を殺したいという衝動に駆られる高校生。
本作はそんな重いテーマを扱った5作が収められた短編集である。
そんな5作に共通しているのは、「死」というテーマを扱っているということだ。それもただの死ではない、死をもって自分の存在を他人の心の中に半永久的に残そうとしたがゆえの死なのだ。
残された人は、それからの自分の人生を「自分が殺してしまったのだ(あるいはその人が死んだのに)」という、これ以上にないほど深い負い目と一緒に生きていかなければならない。この負い目は罪悪感となり、なかなか晴れることはないだろう。そして、その罪悪感は自分の人生や命にも影響を与えるほど大きくなっていく。
これだけの重いテーマなのにもかかわらず読後は非常に爽やかだ。それは登場人物が自分の心情を素直に吐き出しているからに違いない。僕らは登場人物たちの心境を理解し、共感を覚え、同情していく。重いテーマで人間の弱みを描いた作品だが、おそらく「良い小説を読んだ」と前を向ける小説だと思う。
合わせて読みたい本
本作の主人公はある一つの特別な能力を持っています。それは他人とシンクロする能力、他人の心の奥底に眠る「本音」を語らせる能力です。
しかし主人公はこの能力を自由に扱えません。無意識に捉えてしまうのです。彼は普通の学校へ通うことのできなくなった者が通う学校で心を閉ざしている人たちに向き合います。
もっと読むALONE TOGETHER(本多孝好)のあらすじ(ネタバレなし)・感想
MISSING(本多孝好)の評判・口コミ・レビュー
本多孝好さんの『MISSING』読了。
— nami@読書垢 (@nami_book) 2016年5月14日
本多孝好さんのデビュー作含め5つの短編が収録されていたが、どれも何かを失くした人の物語。すべての作品が何処となく哀しく、切なかった。なのに読み終わった後に、程よい余韻が残る感じが、とても好き。 pic.twitter.com/YD6VzUgoYk
本多孝好さん『MISSING』#読了 です✨
— ふみち_book2nd (@fumichi_book) 2019年12月22日
故人に思いを馳せるー。
それは「悔やむこと」や「懐かしむこと」そして「思いやること」。
思い出せば身近に感じられる故人が生前見つけられなかったものを見つけてあげたくなるような温かさと、そのことに反する想いの冷たさの両面を持ち合わせた作品でした✨ pic.twitter.com/mpE2k2x9Fw
本多孝好は特に初期の作品が好きなのだが、どの作品もクールでスマートな主人公が登場して、どれほどスマートであっても、泥臭い・水臭い人間らしさを克服できないストーリーを書くところが好きである。
— こならとたぬき (@HRTyAWKUq7AsyuZ) 2020年3月29日
登場人物がスマートであるほど、その泥臭さ・水臭さが鮮明に見える。
本多孝好/MISSING#読了
#本多孝好「#MISSING」#読了。
— よっくん@読書垢 (@kitano0805) 2019年6月19日
身近な人の死をテーマにした短編集。
扱っているテーマが「死」と重いはずなのに、読んでいて重さは感じず、どこか「透明」で澄み切った印象。
死の奥の奥の方にある何かを読み手が汲みとれるかなんだろうなぁ・・・
汲み取れた人は多分うっすら泣けるのだろう。 pic.twitter.com/Pe6sGKVCb0
#読了
— ことりの@読書 (@boo_k_oto) 2020年3月4日
『MISSING』本多孝好
死と密接に繋がったミステリー5編。
綺麗な結晶みたいに透明感があって、人の持つ色々な面が見えてくる。他人には暴けない、触れられない部分があるからこそ人はきっと興味深い。
1話ごとに徐々に深みを増していき、会話が印象的で余韻を残す最終話に惹かれた。 pic.twitter.com/S2sHitGhl0