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柳 美里 ゆう・みり(1968年6月22日 – )
劇作家、小説家。在日韓国人。韓国籍。茨城県土浦市生まれ、神奈川県横浜市育ち。横浜共立学園高等学校中退。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。93年、『魚の祭』で第37回岸田國士戯曲賞を最年少受賞。94年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。96年、『フルハウス』で第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞受賞。97年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2011年の東日本大震災を機に、福島県・宮城県・岩手県に通い始め、2015年4月に鎌倉から南相馬に転居し、南相馬市在住作家となる。2018年4月に書店「フルハウス」をオープンした。
おすすめ作品ランキング
長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!
- 1位:JR上野駅公園口
- 2位:JR高田馬場駅戸山口
- 3位:雨と夢のあとに
作品一覧リスト
※単著のみ紹介しています。
『静物画』1991年11月
『向日葵の柩』1993年1月
「オイディプス王」を思わせる古典悲劇の構造を用いて、在日韓国人2世の鬱屈した心情を「詩的」に昇華した新鋭女流作家・柳美里の代表作。第37回岸田国士戯曲賞を受賞する。97年芥川賞受賞。
『Green Bench』1994年3月
『家族の標本』1995年4月
家族ってなんだろう。社会の最小単位、万人のルーツでもある家族という名の病とぶつかり合い。それでも、今そこにある人々の心。淡々とした語りかけが深い共感を呼ぶ、芥川賞作家によるエッセイ集。
『自殺』1995年6月
「最初に自殺を考えたのは小学六年生の時です」──自らの未遂体験を通じ、芥川賞作家・柳美里が高校生に問う、生きる意味。作家、マラソン選手、アイドル歌手、いじめによる中学生の死など、多くの自殺具体例の核心を見据えて掲げられる、逆説的自殺のすすめ。私は「自殺を肯定しているのか、それとも自殺の抑止について語ろうとしているのか」。読者は透徹した視点で「生きること」「死に向かうこと」を社会構造とともに解き明かす本書をいかに捉えるべきなのか?
『魚の祭』1996年1月
弟の急死をきっかけに集まった離散した家族の感情のすれ違いを描いた表題作。女子高を舞台に少女たちの光と影をとらえた処女作「静物画」を収録した、著者19歳の新しい旅立ちを予感させる第一作品集。
『私語辞典』1996年5月
『フルハウス』1996年6月
“家を建てる”が口癖だった父は、理想の家族を夢みて、払える金もないのに、いきなり立派な家を建てた。しかし成人した娘たちも、16年前に家を出た妻も、その家に寄りつかない。そこで父はホームレス一家を家に招き、ニセモノ家族と一緒に暮らし始めるのだが……不気味な味わいの表題作は、泉鏡花文学賞を受賞。ほかに、不倫する女が体験する、不倫相手の妻の奇矯なふるまいを通して、家族の不在をコミカルにえがく「もやし」を収録。才気あふれる2短篇。
『窓のある書店から』1996年12月
<書斎に隠って世界を窺うような作家にはなりたくない。読書もひとつの体験にしたい>『フルハウス』で泉鏡花文学賞・野間文芸新人賞を受賞した気鋭の著者が、書物との豊かな触れ合いと、表現に対する真摯な思いを綴った、<知>と<血>を揺り起こす最新エッセイ集。
『家族シネマ』1997年2月
日本文芸界最強最大の新人が放つ本格純文学。
こなごなに砕け散ったメンバーがつくろうかりそめの家族の映像。家族を演出することが家族なのか。現代の孤独な人々の喧騒を鋭い文体で描ききる大型新人の問題作。
『水辺のゆりかご』1997年2月
昭和四十三年、夏至の早朝、在日韓国人夫婦の間に一人の女の子が生まれた――。家族のルーツ、両親の不仲、家庭内暴力、苛烈をきわめた学校でのいじめ、そして自殺未遂……。家庭や学校、社会との、絶え間ない葛藤と軋轢のなかで歩んできたみずからの姿を見据え、類いまれな“物語”へと昇華した感動の一冊。作家としての豊かな資質を示し、読者に生命の力を吹き込んだベストセラー作品、待望の電子化!
『NOW and THEN 柳美里──柳美里による全作品解説+51の質問』1997年7月
『タイル』1997年11月
性的不能になり離婚した、40歳のデザイナー。タイルを偏愛する男は、自室をモザイク画で埋め尽くそうと、赤い海パン姿で制作に没頭する。その部屋をこっそりうかがうのは、盗聴が趣味の自称“非行老人”。タイル貼りの作業に女の専門学校生が加わり、いっそう妄想が亢進した老人は男をけしかける──いっしょに楽しもうじゃないか。標的はある女性ポルノ作家。狂気、罠、監禁……誰にでも起こりうる狂気をひたひたと描き出す、ホラー純文学の傑作。
『仮面の国』1998年4月
『言葉のレッスン』1998年7月
「言葉の採集が趣味」という柳美里が小説・新聞・雑誌などメディアの言葉を拾い集め、阪神大震災、サイン会中止事件などさまざまなトピックスをちりばめた言葉の宝石箱。柳美里ならでは鋭い感性・観察眼が光る。
『ゴールドラッシュ』1998年11月
風俗店が並び立つ横浜黄金町。14歳の少年は、中学を登校拒否してドラッグに浸っている。父親は、自宅の地下に金塊を隠し持つパチンコ店経営者。別居中の母、知的障害を持つ兄、援助交際に溺れる姉など、家庭崩壊の中、何でも金で解決しようとする父に対し、少年が起した行動とは……。生きることはゲームだと思っていた少年が、信じるという心を取り戻すまでを描く感動的長編。
『女学生の友』1999年9月
『男』2000年2月
時に私を愛し、時に私を壊して去っていった男たちの「からだ」を思い出す。彼とセックスをすると、自分が浄められ、生まれたばかりの瞬間に戻っていくような気がした。爪を切った直後に別れた男がいた。ひとりだけ、朝いっしょに風呂に入って、からだの隅々まで洗ってやった男がいた。今、せつない記憶の数々が鮮やかに蘇る。とてもエロティック、でも、とびきり純粋な性と愛の物語。
『命』2000年6月
芥川賞作家・柳美里氏が作家として、また一人の女性として直面した苛烈な真実を正面から見つめ、血のにじむような筆致ですべてをさらけ出した、前代未聞の問題作。 妻ある男性との恋愛、妊娠、そして男の変心。さらには、かつての師であり、10年間共に暮らした恋人でもある東由多加氏との再会と、東氏の癌闘病、そして出産を迎えるまでを描いた本作は、柳氏の人生のなかでも最大のスキャンダルかもしれない。しかし同時に、「崩壊した家族」のなかで作家的感性を養ってきた柳氏の、命をかけた「家族再生」の試みでもあった。『週刊ポスト』連載中から大反響を呼んだ「同時進行私記」いよいよ刊行。
『魚が見た夢』2000年10月
『魂』2001年1月
妻ある男性との恋・妊娠・未婚出産と、かつての恋人であり恩師でもある東由多加との同居に始まる癌闘病生活を通じて、生まれる命と死にゆく命の交わりを綴った私記『命』は、多くの女性の共感を呼び、45万部を刷るベストセラーとなりました。 『命』刊行から半年、生と死の壮絶なドキュメンタリー第2幕『魂』は、日々病魔に冒され、ときに幻覚にさいなまれる東と、その命に寄り添う著者の約2ヶ月にわたる壮絶な末期癌闘病を核とする<物語>です。
『ルージュ』2001年3月
化粧品会社のOLが、モデルに抜擢されて……。柳美里初の恋愛小説。
谷川里彩、20歳、化粧品会社勤務。新製品のイメージキャラクターのドタキャンによってモデルに抜擢された里彩だったが…。背筋を伸ばし、まっすぐに生きる女性のピュア・ストーリー。
『言葉は静かに踊る』2001年3月
『生』2001年8月
かつて師であり恋人だった東由多加と、未婚で出産した息子との、「家族」のような生活は、つかの間で崩壊した。東を蝕む癌は「余命一週間」と診断され、生後二ヶ月の丈陽と別離を余儀なくされた。そして「レイプ未遂事件」。ナゼワタシダケガコンナメニ!打ちひしがれた作者に、さらに残酷な結末が待っていた……
『世界のひびわれと魂の空白を』2001年9月
『声』2002年
その不幸を直視しろ、といったのはあなたです。さよならはいいません……。祈りも届かず、ついに命を落とした東由多加。愛するものを失った悲しみと心の叫びを綴った、「命」「魂」「生」に続く葬送の第4集。
「演出家と役者という関係から始まり、恋人、親子、きょうだい、師弟、友人…わたしは東由多加というひととほとんどすべての関係を結びました」。その東は死んだ。だが、その〈不在〉を現実と認識できなかった…。
『石に泳ぐ魚』2002年
競馬に狂った父親。次々と男をとりかえる母親。危うい家族の風景の中に、劇作家、秀香の孤独は屹立していた。韓国での会見では仲介者の裏切りに遭い、日本の演出家は彼女の作品を踏みにじる。「柿の木の男」の温もりと、美大受験生、里花の奔放さだけが、そばにあった。真っ直ぐな孤独は、いつも何かに挑みかかり、深く傷つき、彷徨い漂う。生きることの凄絶さを捉えた傑作処女長篇。
『交換日記』2003年8月
『8月の果て』2004年
日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへ押し上げる。
『雨と夢のあとに』2005年
12歳の少女の孤独、命のきらめき……。柳美里初の怪談小説。連続ドラマ化!
発売同時に連続テレビドラマスタート! 12歳の少女が抱えた深い孤独、苛酷すぎる運命、そして命の輝き。現代の家族が抱える不安と揺らぎを、たぐいまれなストーリーと筆力で描いた話題必至の長編小説!
『月へのぼったケンタロウくん』2007年4月
今は亡き最愛の人との約束。二人で生まれてくる子どもに絵本を残そう――作家・柳美里が喪失と希望との狭間で揺れながら、結実させ…
『黒』2007年7月
本書は、季刊文芸誌「en-taxi」(扶桑社)にて連載しておりました、「黒」「白」「緑」の連作小説です。ベストセラー『命』の主人公でもある東由多加と柳美里が出逢い、別れ、死に際に立会い、死者からの言葉が綴られた、衝撃的な小説となりました。
真っ黒な『命』の真実――。
『名づけえぬものに触れて』2007年7月
2004.1.7~2005.7.7まで、柳美里が自身のブログで書き綴った、明暗“150編”
自殺したファン<らばるすさん>の遺志を受け、仲間と共にホームページを立ち上げた柳美里が、ネットユーザーと真摯に向き合いながらも、自身の日常を赤裸々に語り続ける。
『JR高田馬場駅戸山口』2007年8月
「少しだけ眠ろう……悲しみに耐えるために」
夫は単身赴任中で、子どもと二人暮らしの母・ゆみ。幼稚園や自治会との確執、日々膨らむ夫への疑念、そして社会からの孤立。その思いは、「あの日」を境にエスカレートしてゆく。絶望の果てに「一人の女」がくだした決断とは……。
柳美里が「居場所のない全ての人へ」贈る傑作長編。
全米図書賞(翻訳文学部門)受賞作&ベストセラー『JR上野駅公園口』(「TOKYO UENO STATION」モーガン・ジャイルズ訳)の連作「山手線シリーズ」。
- 『山手線内回り』河出書房新社、2007年
- 『グッドバイ・ママ』河出文庫、2012年
- 『JR高田馬場駅戸山口』河出文庫、2021年3月
『柳美里不幸全記録』2007年11月
あなたのいない世界では、すべてが不幸に染まる。
「『不幸であることを不服に思ったこと』は一度もありませんでした。(あとがき)」処女作の出版差し止め、朝日新聞連載打ち切り、止められぬ息子への折檻、そして始まる新しい家族との生活……。ミリオンセラー『命』の著者とその息子を、その後待ちうけていた酷薄な日々を綴った800ページの衝撃の極私的文学。「新潮45」連載『交換日記』五年半の軌跡が一冊に!
『NHK知るを楽しむ私のこだわり人物伝 色川武大 穏やかにアウトロー』2008年2月
『オンエア』2009年
プロデューサーと不倫報道を続ける藤崎あゆみ・26歳。年下の野球選手に結婚をせがまれる水沢千広32歳。元カレのストーキングにおびえる望月結香・22歳。人気報道番組を舞台に3人の女子アナが、それぞれ予期せぬ人生の転機を迎える・・・・・・。リアルな描写で大反響を呼んだ著者初のエンターテイメント小説!
『ファミリー・シークレット』2010年5月
柳美里が小説に閉じ込めてきた「過去」と向き合った感動ノンフィクション
「柳美里に虐待疑惑」――臨床心理士・長谷川博一氏とのカウンセリングを受けながら、みずからの過去の闇を照らす作業に入る。
『ピョンヤンの夏休み わたしが見た「北朝鮮」』2011年12月
ベールに包まれた「北朝鮮」を辿る旅。2008年から3回にわたって、芥川賞作家・柳美里は朝鮮民主主義人民共和国を訪れた。2度目までは一人で、そして3度目は10歳の息子・丈陽、そして16歳年下の同居人男性という「奇妙な家族」で向かった。著者のアイデンティティを探る記録であるのと同時に、〈家族〉と〈故郷〉の内実が解き明かされる刺激的なノンフィクション作品!
『自殺の国』2012年
「誰か私に、生と死の違いを教えて下さい」——ネットに飛び交う「自殺」「逝きたい」の文字。電車の中、携帯電話を手にその画面を見つめる少女、市原百音・高校一年生。形だけの友人関係、形だけの家族。「死」に魅せられた少女は、21時12分、「品川発」の電車に乗って、彼らとの「約束の場所」へと向かうのだが……。1998年以降、自殺者連続3万人の日本社会に問う、柳美里、2年半ぶりの最新小説!
『JR上野駅公園口』2014年
一九三三年、私は「天皇」と同じ日に生まれた――東京オリンピックの前年、出稼ぎのため上野駅に降り立った男の壮絶な生涯を通じ描かれる、日本の光と闇……居場所を失くしたすべての人へ贈る物語。
『貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記』2015年3月
芥川賞作家の柳美里が『創』から原稿料を支払われないとして、話題となったが、本書はその『創』の連載を「お金」「貧乏」にまつわる話を中心にまとめ、新たに加筆した問題作だ。
『創』出版との印税未払いの顛末記も書かれており、芥川賞作家が困窮する衝撃のエピソードが明かされる。全国には300万人の非正規雇用者がいるが、彼等に向け「貧乏でも幸せ生きる」意味を問う作品となっている。
『ねこのおうち』2016年
ひかり公園で生まれた6匹のねこたち。いま、彼らと、その家族との物語が幕を開ける。生きることの哀しみとキラメキに充ちた感動作!
『人生にはやらなくていいことがある』2016年12月
家庭の不和、いじめ、出版差し止め裁判……
壮絶な半生が教えてくれる、人生において「必要のないこと」とは?作家生活30周年、芥川賞受賞20周年――
“南相馬在住作家”柳美里が48年間の「後悔」を語る、初の人生論。
『国家への道順』2017年
<わたしは「日本人」に問います。「あなたは自分が何を考え、何をしているか、解っていますか?」>7年にわたる長期連載エッセイが待望の書籍化!
「国家」とは、「国民」とは何なのか? 「普通」とは何なのか?「非常に困難な状況の中で、失語の一歩手前でどんな言葉ならば語ることが可能か、迷い、悩みながら書きました」(「おわりに」より)「在日」の問題を通じて問い続けた、柳美里、魂の叫び!
『飼う人』2017年12月
ウーパールーパー、カエル、蛾、蝶と、ちょっと不思議な生き物を飼う人々が、いつしかその生き物たちに依存するかのごとく、不穏な領域に踏み込んでいく姿を描いた異色連作集。
全米図書賞受賞で話題の作家の最新作。夫との生活に疲れた中年女は、家にいた毛虫に「トーマス」という名前をつけて飼うようになった。トーマスへの愛着が深まることで、なじんでいると思っていた夫のことが、いままでとは違って見えてくる。夫の本心とは何なのか。夫の好きなものは何か。夫は何に関心があるのか。夫は何も関心を持っていないかもしれない。じゃあ、わたしは夫の何に関心があるのか。何もないかもしれない。わたしは自分に対しても関心を持つことができない。どうしてこんなことになってしまったんだろう。何がいけなかったんだろう?
疲れた。ほんとうに疲れた……。中年女の心情をリアルに描く――「イボタガ」。
ウーパールーパーに「アポロ」という名前をつけたコンビニで働く青年の話――「ウーパールーパー」。
シングルマザーの母親との軋轢にもめげず、健気に生きていこうとする少年の話――「イエアメガエル」。
「トーマスは羽化しませんでした」という謎のメッセージと共に妻に去られた中年男の話――「ツマグロヒョウモン」。
『柳美里自選作品集 第一巻 永在する死と生』2018年4月
ミリオンセラーとなり多くの反響を呼んだ
「命」四部作――「命」「魂」「生」「声」を収録。
妻ある男性との恋愛と妊娠。
出産、育児。
最愛の人、東由多加との闘病。
克明に記された衝撃的な事実と感情の機微。
生まれる命と失われる「命」。翻弄される著者自身の「生」――。
運命のように引き寄せられていく登場人物たち。
医者、編集者、作家……実名で綴られた、その激しいストーリーは
一時も読む者の心を掴んで離さない。巻末には、解説にかえて親友でもある女優・斉藤由貴の手記を収録。
「柳さんへの手紙」と題した言葉が胸に突き刺さる。
『柳美里自選作品集 第二巻 家族の再演』2018年6月
芥川賞作家・柳美里氏の自選作品集第二巻。代表作であり芥川賞を受賞した「家族シネマ」、第24回泉鏡花文学賞、第18回野間文芸新人賞を受賞した「フルハウス」。すでに絶版となり復刊の声が最も多かった2作を収録。そのほか「水辺のゆりかご」「家族の標本」。
『町の形見』2018年11月
20年の時を超え「青春五月党」が再始動。新作戯曲「町の形見」に加え、福島が舞台の「静物画2011」「窓の外の結婚式」を収録。
『南相馬メドレー』2020年
東日本大震災後、福島県南相馬市に転居した作家・柳美里が5年にわたって綴った珠玉のエッセイ47篇。南相馬の臨時災害放送局のラジオパーソナリティを務めたことを機に、現地の高校で講義や演劇指導を行うかたわら、書店兼小劇場をオープンするなど、被災地の人々と生活を共にしつつ歩んだ家族の軌跡。「今日もわたしは、夕陽の赤が静かに広がる南相馬の町を、小声で歌を口ずさみながら歩いています。いま、ここに在る、という自分の位置を確認しながら──」(「あとがき」より)。「南相馬に転居した理由(わけ)」「漂泊の果てに」「フルハウス」「女川駅舎の紙製のベンチ」「縁の糸」「最後の避難所」「『青春五月党』復活」「ある晴れた日に」「悲しみを追悼する」ほか、月刊誌『第三文明』の好評連載を書籍化。