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大岡 昇平 おおおか・しょうへい(1909年3月6日 – 1988年12月25日)
小説家、評論家、フランス文学研究者。東京市牛込区新小川町生まれ。アテネ・フランセにてフランス語を学ぶ。京都帝国大学文学部文学科卒業。1944年、召集され陸軍の一員としてフィリピンのミンドロ島にて戦うも、翌年米軍の捕虜となった。1949年、『俘虜記』により横光利一賞を受賞。1952年、『野火』により読売文学賞を受賞。芸術院会員に選ばれるなど(辞退)、戦後日本文学を代表する作家である。
大岡昇平のおすすめ作品ランキング
第5位:レイテ戦記
戦争は勝ったか、負けたかというチャンバラではなく、その全体にわれわれの社会と同じような原理が働いている――。太平洋戦争の天王山・レイテ島での死闘を、厖大な資料を駆使して再現した戦記文学の金字塔。毎日芸術賞受賞作。巻末に講演「『レイテ戦記』の意図」を付す。
大岡昇平『レイテ戦記』読了。下巻がいい。日本兵の戦死率97%。戦争というより一方的な虐殺に近かったレイテ戦を描写した上で、「しかし最大の犠牲者はフィリピン人ではなかったか?」と。「無責任の体系」、ロジスティックの軽視のような旧軍批判を踏まえた上での大岡の結論はとても重く響く。
— Jun (@Jun524t) July 2, 2010
大岡昇平「レイテ戦記」読了。レイテ戦とは太平洋戦争末期のフィリピンレイテ島における日米の戦い。1章から30章までは日米の膨大な資料を基礎とした「事実」の積み上げ。31章エピローグで戦争の本質を語る。戦争に正義はない。戦争の目的は経済である。戦争の一番の被害者は戦場の住民である。
— oyamasaa (@oyamasaa) December 29, 2011
『レイテ戦記』読了。
— おちたとうふ (@211_0606) July 1, 2019
解説の、
「『レイテ戦記』では局部の事象のままに終わるものはひとつもない。あらゆる事実が他のさまざまな事実と密接に交響しあっている。この交響曲的な構成は、単なる記録と記録文学とを、単なる戦記と戦記文学とをわかつ境界であり」
に大いに首肯。味わい深かった。
第4位:ながい旅
藤田まこと主演の映画『明日への遺言』原作。戦争の悪は敗戦国だけが負うのか? B級戦犯として起訴された東海軍司令官・岡田資中将は軍事法廷で戦いぬく決意をした――。米空軍の残虐な無差別爆撃の実態を立証するため、同時に起訴された部下の生命を救うため、そして東海軍の最後の名誉を守るため……。信念を貫き通してスガモ・プリズンに消えた一人の日本人の、誇りにみちた生涯。
大岡昇平『ながい旅』読了。
— めぃ (@Maymay_wg) February 21, 2020
明日への遺言の原作小説ですが、より法廷証言などが詳細に記されてよく取材したなと。やや冗長さは否めないが、岡田のぶれない考えが顕に。判決後も映画では略された戦後思想の考えなど、今日につながる示唆を感じる一作。あと、明日への遺言は改めて名作と感じた。
大岡昇平『ながい旅』(角川文庫)読了。昔から気になっていた作品だが、たまたま先週ブックオフで見つけて購入。テーマが重く、様々な読み方も見方もできるため、一気には読み通せないし、今後も読み返すことがあるだろう。岡田資中将の軍人以外の側面についても知ることが出来たのは大きい。
— 石井 顕勇 (@IshiiAkio) September 23, 2011
大岡昇平「ながい旅」読了。良い読後感だったのだが、最後の解説にサラッと書いてあった中国での毒ガス作戦の実行者云々の記述でモヤッとなった。本当なのかしら。
— 彩川古本 (@taikosisi) July 6, 2016
第3位:武蔵野夫人
貞淑で、古風で、武蔵野の精のようなやさしい魂を持った人妻道子と、ビルマから復員してきた従弟の勉との間に芽生えた悲劇的な愛。
――欅や樫の樹の多い静かなたたずまいの武蔵野を舞台に、姦通・虚栄・欲望などをめぐる錯綜した心理模様を描く。スタンダールやラディゲなどに学んだフランス心理小説の手法を、日本の文学風土のなかで試みた、著者の初期代表作のひとつである。
大岡昇平著『武蔵野夫人』読了なう。武蔵野を舞台にした人妻との四角関係を通して、姦通、虚栄、欲望と人間の持つ錯綜とした心理を深いところで模索した作品。一枚、また一枚と心の皮を剥いていくように暗部に到達していく過程はおぞましさすら感じます。
— たけじぃ。 (@tubuyakitakejii) March 17, 2013
大岡昇平『武蔵野夫人』読了。あとがき通り「男女の心が将棋の駒のように」が著者の狙いならそれは見事に達成されてるけど、頭と頭で恋愛してるみたいで、その明晰さでは満たされないと思った。富子ちゃんがわがまま言ってるところの方が私には魅力的だった
— みうら (@tkouzyou) January 18, 2013
大岡昇平『武蔵野夫人』(新潮文庫)読了。久々に小説で深い感銘を受けた。狭い世界の中でのせこい恋愛が描かれているだけなんだが、その心理描写の知的で緻密なことなどにひたすら圧倒される。
— 黒砂水路 (@kurosunya) June 26, 2020
第2位:俘虜記
一等兵として太平洋戦争に従軍した著者の体験に基づく連作小説。フィリピン・ミンドロ島への米軍上陸から復員までの約一年間を描く。なぜ自分は米兵を殺さなかったかという感情を異常なほどに平静かつ精密に分析した「捉まるまで」と、俘虜収容所を戦後日本の縮図と見た文明批評の続編からなる。
孤独という真空状態での人間のエゴティスムを明晰な文体で凝視し、戦争小説とは一線を画する。
大岡昇平「全集第2巻」読了。「俘虜記」,これほど理屈っぽい小説とは気がついていなかった。この巻にはさまざまな兵隊が登場するが,自分も他人も批評的に見られる,簡単に云うと年取ってからがより面白く読めると思う。今は,佐藤春夫「定本全集第14巻」読書中。
— 干菜 (@BlueSky3n) March 7, 2015
大岡昇平「俘虜記」読了。えらい時間がかかってしまった。未だに噛み砕ききれないところが多々ある。あるいは一生理解できないかもしれない。「何故米兵を射たなかったのか」についての透徹な自己分析と、原爆投下を知ってからの心情描写は鬼気迫るものがある。 #俘虜記
— 水月兎 (@suigetu_16) March 19, 2017
大岡昇平「俘虜記」読了。
— 茂木紀夫 (@MotegiNorio) June 27, 2015
メンツのために無意味に人が死ななければならない憤りを書いている箇所がある。その箇所、今では「反日」とか「不敬」と指弾されそう。大岡氏は左翼じゃないけどな。憲法で言論の自由が認められているのに、敗戦直後に比べて言論が萎縮している部分があるように感じる。
第1位:野火
敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。
#読了 【野火】
— カフェス (@namake_mononoke) June 16, 2020
フィリピン戦線での一兵士の葛藤劇。極限状態に置かれた心理状態が生々しい。諦め半分な自分を認めたり、霊的な何かに導かれたり。終盤タブーを目前にしての生への執着は、敵も味方も無い人間の本能が見えておぞましい。 pic.twitter.com/33xCxVOxMh
大岡昇平の『野火』読了。宇多田ヒカルが「好きな作家の作品」として挙げていた。戦争の悲惨さというよりも、人間とはこういう生き物だ、という点に重きがおかれているように感じた。これは自伝的小説なのだろうか。大岡昇平の自伝『少年』は面白かった。
— けいじ (@detectivemouse) October 21, 2009
大岡昇平「野火」#読了
— 蘭 (@_ranl) August 10, 2020
とても質のいい読了感。林や森をひとりで歩く描写がとても印象的だった。そして思わず顔を歪めてしまうような、人が死んでいくところの描写…。人を食べてしまう飢餓感ってどんなものだろう。想像もできない。そんな飢餓を感じたことのない自分の恵まれた境遇に感謝した。