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ジョン・マックスウェル・クッツェー John Maxwell Coetzee(1940年2月9日 – )
小説家。南アフリカのケープタウンのモーブレー生まれ。1961年に渡英し、コンピュータープログラマーとして働きながら、修士号を取得。1965年には渡米し、テキサス大学オースティン校にて、サミュエル・ベケット研究で博士号を取得した。ニューヨーク州立大学で教壇に立ちながら作品を書き始める。南アフリカに帰国後、ケープタウン大学で教えつつ1974年に初の作品『ダスクランズ』を発表した。1983年、『マイケル・K』、1999年、『恥辱』でブッカー賞を受賞。同賞史上初のダブル受賞となった。2003年、ノーベル文学賞受賞。
おすすめ作品ランキング
長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!
- 1位:マイケル・K
- 2位:鉄の時代
- 3位:恥辱
作品一覧リスト
『ダスクランズ』Dusklands (1974)
ヴェトナム戦争末期、プロパガンダを練るエリート青年。18世紀、南部アフリカで植民地の拡大に携わる白人の男。ふたりに取りつく妄想と狂気を、驚くべき力業で描き取る。人間心理に鋭いメスを入れ、数々の傑作を生みだしたノーベル賞作家、J・M・クッツェー。そのすべては、ここからはじまる。
『石の女』 In the Heart of the Country (1977)
『夷狄を待ちながら』 Waiting for the Barbarians (1980)
野蛮人は攻めてくるのか? 静かな辺境の町に首都から治安警察の大佐が来て凄惨な拷問が始まる。けっして来ない夷狄を待ちながら、文明の名の下の蛮行が続く。
『マイケル・K』 Life and Times of Michael K (1983)
内戦下の南アフリカ。手押し車に病気の母親を乗せて、騒乱のケープタウンから内陸の農場をめざすマイケル。内戦の火の粉が飛びかう荒野をひたすら歩きつづける彼は、大地との交感に日々を過ごし、キャンプに収容されても逃走する。……国家の運命に巻き込まれながら、精神の自由を求めて放浪する一個の人間のすがたを描く、ノーベル賞作家の代表作。
- 1983年ブッカー賞
『敵あるいはフォー』 Foe (1986)
ロビンソン・クルーソーの島に一人の英国人女性が流れ着いた。島は、我々が漂流記で知っているような緑豊かな楽園ではなかった。不機嫌なクルーソーとなぜか舌を切られているフライデイ。救出された女性は自らの体験の物語化を作家フォーに頼むが。ブッカー賞作家が描く精緻にして大胆な寓話。
White Writing, Yale University Press, New Haven (1988)
『鉄の時代』 Age of Iron (1990)
人種差別の嵐の中、末期ガンの70歳の女性がホームレスの男と心を通わせる。遠方の娘への愛と暴力的な現実。ノーベル賞作家の傑作。
Doubling the Point, Harvard University Press, Cambridge (1992)
『ペテルブルグの文豪』 The Master of Petersburg (1994)
『少年時代』 Boyhood: Scenes from Provincial Life, Harvill Secker, London (1997)
Giving Offense: Essays on Censorship, The University of Chicago Press, (1997)
『恥辱』 Disgrace (1999)
52歳の大学教授は二度の離婚を経験後、娼婦や手近な女性で自分の欲望をうまく処理してきた。だが、軽い気持ちから関係を持った女生徒に告発され辞任に追い込まれる。彼は娘の住む片田舎の農園へと転がりこむが、そこにさえ厳しい審判が待ち受けていた。ノーベル賞作家の代表作。
- 1999年ブッカー賞
『動物のいのち』 The Lives of Animals (2001)
『青年時代』Youth: Scenes from Provincial Life II, Harvill Secker, London (2002年)
Stranger Shores: Literary Essays, 1986-1999, Harvill Secker, London (2002)
『エリザベス・コステロ』 Elizabeth Costello, Harvill Secker, London (2003)
『遅い男』 Slow Man, Havrill Secker, London (2005)
右側からガツンときて、感電したかのような、思いもよらぬ鋭い痛みが走り、彼は自転車からふっ飛ぶ――。
六十代の独身男ポール・レマンは自転車の事故で片脚を失った。医師は義足を勧めるが、ポールはかたくなに拒否、アデレードの自分のフラットで要介護の暮らしを始める。かつて離婚を経験し、その後は勝手気ままに暮らしてきた。それゆえに、福祉事務所から紹介される介護士たちの年寄り扱い、子供扱いへの苛立ちは募るばかり。彼は人生に絶望しかかっていた。そんな折、ポールのもとにマリアナ・ヨキッチという介護士が送られてくる。仕事熱心で美しいマリアナに、ポールは惹かれていく。だが、彼女には夫と子どもたちが。ポールマリアナに愛を伝えようと苦心するが、見知らぬ女性作家の出現が彼の人生のさらなる混乱へと導くのだった。 ノーベル賞作家の傑作長篇。
Inner Workings: Literary Essays, 2000-2005, Harvill Secker, London (2007)
Diary of a Bad Year, Harvill Secker, London (2007)
『サマータイム』Summertime: Scenes from Provincial Life III (2009)
『サマータイム、青年時代、少年時代──辺境からの三つの〈自伝〉』Scenes from Provincial Life (2011)
三度目のブッカー賞候補作「サマータイム」に「青年時代」「少年時代」を併せたノーベル賞作家クッツェーの自伝的小説三部作を渾身の訳で贈る。
鋭い批評意識、複雑かつ精緻な方法論でコントロールされた自伝/反自伝小説であるこの三部作は、事実と虚構を巧みに織り交ぜながら深々とした生のドラマを浮かび上がらせ、クッツェーの小説を読む醍醐味を存分に味わわせてくれます。とりわけ三度目のブッカー賞候補作「サマータイム」は、群を抜く強度と完成度によって、ノーベル賞作家の名に恥じないクッツェーの代表作の一つ。著者自身が全面改稿して合本としたScenes from Provincial Lifeを完訳。「少年時代」のみ、みすず書房版を改訳。他二作は初訳。
『ヒア・アンド・ナウ 往復書簡 2008-2011』Here and Now: Letters, 2008-2011 a collection of letters exchanged with Paul Auster (2013)
大都市ニューヨークから世界を見つめるオースター。南アフリカに生まれ、辺境から現実を描いてきたクッツェー。ともに現代を代表する二人の作家が、文学論を戦わせ、世界情勢を憂いては、創作の秘密を語り合い、日常の悩みを打ち明ける。21世紀に小説の意義を問うすべての読者に贈る、知性と信愛に満ちた書簡集。
『イエスの幼子時代』The Childhood of Jesus, Harvill Secker, London (2013)
初老の男が5歳の少年の母親を捜している。2人に血の繋がりはなく、移民船で出会ったばかりだ。彼らが向かうのは、過去を捨てた人々が暮らす街。そこでは生活が保障されるものの、厳しい規則に従わねばならない。男も新たな名前と経歴を得て、ひとりで気ままに生きるはずだったが、少年の母親を捜し、性愛の相手を求めるうちに街の闇に踏み込んでゆく。
たくらみと可笑しさのつまった、ノーベル文学賞作家の新境地。
Three Stories, Text Publishing, Melbourne (2014)
The Good Story: Exchanges on Truth, Fiction and Psychotherapy with Arabella Kurtz, Harvill Secker, London (2015)
『イエスの学校時代』The Schooldays of Jesus, Harvill Secker, London (2016)
少年ダビードはシモンとイネスの庇護のもと、言葉を学び、友を作った。犬のボリバルも健在だ。やがて少年は七歳になり、バレエスクールへ入学する。ダンスシューズを履いた彼は、徐々に大人の世界の裏を知る――成長とは? 親とは? クッツェーの新境地!
Late Essays: 2006 – 2017, Harvill Secker, London (2017)
『モラルの話』(2018)
ノーベル賞作家が、これまで自明とされてきた近代的な価値観の根底を問い、時にシニカルな、時にコミカルな筆致で開く新境地。英語オリジナル版に先駆け贈る、極上の7つの物語。