【おすすめ】西脇順三郎の全詩集を一覧で紹介します

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西脇 順三郎 にしわき・じゅんざぶろう、(1894年1月20日 – 1982年6月5日)

詩人、英文学者。戦前のモダニズム・ダダイスム・シュルレアリスム運動の中心人物。伝統にとらわれない詩的言語の新しさで、日本の近代詩のスタイルに大きな影響を与えた。生前、ノーベル文学賞の候補に挙がっていたものの、受賞を逸している。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:近代の寓話
  • 2位:旅人かへらず
  • 3位:第三の神話

作品一覧リスト

※詩集のみ紹介しています。

Spectrum 1925年

ロンドンで刊行された英文詩集です。

Une Montre Sentimentale 1925年

1925年、私家版

Poems Barbarous 1930年

1930年、椎の木社

Ambarvalia 1933年

1933(昭和8)年、英国留学後に上梓、幾多の詩人達に衝撃的影響を与えた日本語第1詩集『Ambarvalia』(『アムバルワリア』)。「旅人は待てよ/このかすかな泉に/……」ではじまる東洋的幽玄漂う長篇詩、1947年刊『旅人かへらず』。対照的な2冊に時に耀き時に沈潜する西脇順三郎の奔放自在、華麗な詩想とことばの生誕の源泉を見る。日本の現代詩最高の偉業2作を完全収録の文庫版。

当初外国語で詩作を行っていた西脇。その西脇による日本語による第一詩集です。後に大幅に改定され1947年8月に「あむばるわりあ」として出版されました。

「Ambarvalia」は穀物祭を意味するラテン語。詩の題材も古代ギリシアや中世ヨーロッパ、キリスト教などヨーロッパ文化ド直球といった印象。文意を読み取るのが難しいという意味ではなく、題材になじみがないという意味で難解に感じます。

旅人かへらず 1947年

1933(昭和8)年、英国留学後に上梓、幾多の詩人達に衝撃的影響を与えた日本語第1詩集『Ambarvalia』(『アムバルワリア』)。「旅人は待てよ/このかすかな泉に/……」ではじまる東洋的幽玄漂う長篇詩、1947年刊『旅人かへらず』。対照的な2冊に時に耀き時に沈潜する西脇順三郎の奔放自在、華麗な詩想とことばの生誕の源泉を見る。日本の現代詩最高の偉業2作を完全収録の文庫版。

前作『Ambarvalia』から14年を経て刊行された第二詩集です。

14年という年月の長さもさることながら、その間には日本への帰国と、太平洋戦争という大きな出来事がありました。その間に西脇の心境も変化したのか、前作とはまるで違う雰囲気の詩集となっています。

Ambarvalia』を洋とするのならば、『旅人かへらず』は和でしょうか。人間と自然の共存、あるいは人間は自然と一部であると考える和風の思想が入ってくるなど、対照的なまでに日本風の詩集に仕上がっています。

壮大なトーンを抱えた傑作で、個人的にはこの詩集が一番好きです。

近代の寓話 1953年

前作から6年の時間を空けて刊行されました。その間に書かれた詩がまとめられています。

いわば『Ambarvalia』の西洋と『旅人かへらず』の東洋を受け継いだ詩集であると言えると思います。ある部分では西洋の要素が顔を出し、ある部分では東洋の味付けがなされています。西洋と東洋のミックスが行われており、西脇の特長にも挙げられています。

傑作と評価の高い作品集です。特に表題作の「近代の寓話」が素晴らしいと思います。

あんどろめだ 1955年

1955年、トリトン社

第三の神話 1956年

  • 第八回読売文学賞

第三の神話』は前作発表後に書かれた作品を集めたものです。

長い作品があり、後の長詩の原型と言えるかはわかりませんが、その萌芽は見え隠れしています。散文詩というか、短編小説のようなスタイルの作品もあります。

Gennaio A Kyoto 1957年

失われた時 1960年

失われた時』は全四部からなる長編詩です。これまでにも長い詩を試していた西脇ですが、ここに来てさらに長大な作品を書いています。

大作、総決算という言葉が似合う作品です。それまでの西脇の詩集のキーワードや特長がこれでもかと詰め込まれています。個人的には膨大な言葉の洪水にのみ込まれたという印象で、初めて読む作品としてはお勧めできないかなと思います。ほかの詩集を経て読んでほしいかなと。

豊饒の女神 1962年

大作から一息つき、こちらには十四編の作品が収められています。

えてるにたす 1962年

長編詩三作が収められています。

生と死、永遠、無常などテーマはとても大きなものを扱いつつ、難解な技巧を凝らしているわけでもありません。テーマは深みを増しているけれども、肩の力が抜けて自然なスタイルになっている。そんなイメージがあります。好きな作品です。

TRAVELLER’S JOY 1962年

宝石の眠り 1963年

それまでの大作とは打って変わって、小品を集めた一冊です。

壮大さという点では大作には及びませんが、西脇が世の中の風景をどう見ているのか、あるいは見たものをどのような技巧で書くのか。そういう点に注目してみるのもいいかもしれません。

禮記 1967年

壌歌 1969年

鹿門 1970年

西脇順三郎―若い人のための現代詩 1970年

いまはなき現代教養文庫の一冊。各詩集から傑作詩を抜粋し、編者による文章が添えてあります。

実質的な傑作詩集ですし、解説付き。さらに巻末には年譜+参考文献付きの上、西脇の背景も説明してくれており、いたせりつくせり、痒いところに手が届く良書です。

ただ残念なことに絶版&プレミアということでおすすめしにくいんです。初めて読むのならこの本がおすすめなんですが……図書館や古書店で探してみてください。

人類 1979年

西脇順三郎詩集(岩波文庫)1991年

萩原朔太郎やヨーロッパのシュールレアリズム運動にふれて詩人として出発した西脇順三郎(一八九四‐一九八二)は、伝統にとらわれない詩的言語の新しさで、日本の近代詩のスタイルに大きな影響を与えた。『Ambarvalia』『旅人かへらず』等から代表作を精選。

岩波文庫で現在も刊行中。

とりあえず読んでみたいという人にはうってつけの本だと思います。

西脇順三郎コレクション 2007年

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